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「高級おにぎり」ブームは必然か? イノベーター理論に当てはめて考える

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月23日 7時0分

 このイノベーター理論は、決して先進的なものや新しい商品だけに当てはまるわけではありません。

 例えば今、1970~80年代シティポップのリバイバルブームが起きているのはご存じでしょうか。YouTubeで配信されている竹内まりやさんのMV『Plastic Love』のコメント欄の盛り上がりを見れば、その雰囲気を感じられるかと思います。

 このリバイバルブームは、海外の音楽フリークが、楽曲配信サービスなどを通じて日本のシティポップに出合ったことから始まっています。その人こそがイノベーターですが、本来イノベーターは「広めたい」というスタンスではありません。次の段階であるアーリーアダプターがその魅力に気づき、インフルエンサーとして発信をしたからこそ、今日のブームは起きています。

 さて、このようなシティポップの売れ方は、高級おにぎりに似ていると思いませんか?

 「ぼんご」は決して新しい店ではなく、ずっと常連さんに愛され続けてきたところに、口コミやメディアの露出などが加わり、多くの人に見つかりました。他ではなかなかお目にかかれない「ふっくら」「具材が大きい」「あったかい」おにぎりは、特別感をもって迎えられ、さらにコンビニが追随したことにより、高級おにぎりは一大ブームに。

 これはまさに、「常連さんというイノベーター」「インフルエンサーとしてのアーリーアダプター」「当たり前のようにコンビニで購入するアーリーマジョリティ」という流れです。

●「馴染みがあって、新しい」こそが、広めたくなる「特別感」

 アーリーアダプターは、先進性に引かれるだけでなく「具体的なメリット」も大事にする人たちです。つまり、尖っているだけの商品だとイノベーター止まりでブームにはなりません。

 高級おにぎりは、なぜその先に進むことができたのか。それには、まさに「おにぎりが本来持つ力」そして「特別感」が関係していると考えられます。

 ここでは「MAYA理論」を参照しながら、その正体について考えていきます。MAYA理論とは「Most Advanced Yet Acceptable」の略で「人は驚きを求める一方で、馴染(なじ)みあるものが欲しい」という人間の性質を示しています。

 おにぎりは「ご飯+具材」という基本的なフォーマットがあって、それはまさに「馴染み」あるもの。具材の「内容」や「大きさ」を工夫することで「好奇心」が駆り立てられ、そこに「ふっくら」が加わることで、より一層の特別感が出たと言えるでしょう。

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