「高級おにぎり」ブームは必然か? イノベーター理論に当てはめて考える
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月23日 7時0分
現代人は次から次に新しい情報を浴びているので、具材を工夫するだけではもはや特別感を抱きづらい。しかし「ふっくら」が加わることで、明らかにこれまでとは違う「Wow!」がある。でもそれは、馴染み深い本来のおにぎりの姿でもある。
これに似た売れ方をしている商品は他にもあります。例えば、ファミリーマートの「生コッペパン」。見た目は普通のコッペパンなのに、ふわっと食感は普通超え。「馴染み+新しい」のお手本のような商品で、案の定、ヒットしているようです。
「誰かに広められる特別感」は面白いだけでは不十分で、相手にとっても馴染みあるフィールドである必要があります。そのフィールドの中で新鮮な情報を届けるのが、アーリーアダプターすなわちインフルエンサーというものです。
●結局のところ、世の中に広まるのは「コスパがあってこそ」
3段階目のアーリーマジョリティの人たちは、すでに始まっている流行に乗っかります。つまり、2段階目のアーリーアダプターに大きく影響を受けています。
口コミやメディアなどの情報を通して、すでに伝わっている特別感。慎重な姿勢をとるアーリーマジョリティを振り向かせるには、これまでの生活を変えるわけではなく、馴染むような体験にできるかがポイントです。
1つ目の観点としては「どこでも簡単に入手できるか」があります。
「ぼんご」のような専門店だと、あくまで「知る人ぞ知る」止まり。だからこそ生まれる熱狂を活用するのもマーケティング戦略のひとつではありますが、ここはみんなの食べ物「おにぎり」です。大手小売店で売られることにより、「ぼんごのおにぎり」から「高級おにぎり」という、点ではなく面としての人気にフェーズが移行するのです。コンビニに並べば、それはスタンダード認定を受けたようなもの。一つの分岐点といえるでしょう。
ユーザーが自分から探しにいくのではなく、自然とそこで売っているから買う。それこそが「馴染んでいく」ユーザー体験です。
そして2つ目の観点は、やはり「コスパ」や「タイパ」ではないでしょうか。
昨今の物価上昇などもあり、ランチのお財布事情も厳しくなっています。その中で積極的に選ばれるためには、やはり優れたコスパであることは欠かせません。嗜好性の強くないものに無理をしてチャレンジする人は少ないのです。
おにぎりがいわゆるコスパに優れていることはよく語られています。腹持ちは良いですし、具材も豊富で選択肢が多い。健康にも良さそうです。それが高くても200円台のため、複数個買ってもそれなりの値段に収まります。
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