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MUFG傘下入りでつかんだシナジーとは? フィンテックベンチャーに聞く

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月27日 8時0分

MUFG傘下入りでつかんだシナジーとは? フィンテックベンチャーに聞く

カンム代表取締役社長 執行役員CEOの八巻渉氏(左)とM&Aクラウドの及川厚博CEO

 M&Aと資金調達のマッチングプラットフォームを運営するM&Aクラウド(東京都千代田区)の及川厚博CEOが、スタートアップや事業会社・CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)のリアルな声を伝え、オープンイノベーションのヒントを見いだしていく連載「スタートアップの突破口」。

 5回目はカンム代表取締役社長 執行役員CEOの八巻渉氏に話を聞いた。

 2011年に創業し、2016年にスマホでチャージと支払いが完結するVisaプリペイドカード「バンドルカード」を軸に急成長したフィンテックスタートアップがカンムだ。2023年に三菱UFJ銀行とのM&AによってMUFGにグループインし、スイングバイIPO(M&Aで大手企業にグループインし、成長したあとにIPOを目指すこと)に向けて歩みを進めている。

 メガバンクの支援を受けて、さらなる成長を遂げようとする同社。M&Aの先にIPOという目標を持つことで、事業会社とスタートアップはどのような動きを見せるのか。八巻氏へのインタビューから、スイングバイIPOのリアルが見えてきた――。

●頻繁な「事業維持のための資金調達」を、フリークアウト入りで安定化

及川厚博氏(以下、及川): 御社は2023年に三菱UFJ銀行(以下、三菱)にM&AされてMUFGにグループインしましたが、2018年にフリークアウト・ホールディングス(以下、フリークアウト)と包括的資本業務提携をしていた経緯があります。かつての株主との間にはどのような協業やシナジーがあったのですか。

八巻渉氏(以下、八巻): そもそも、フリークアウトとの資本提携は、私たちが「事業に集中したい」という目的を達成するためのものでした。プリペイドカード事業を行うためには資金決済法の前払式支払手段(第三者型)の登録が必要なのですが、これには純資産1億円以上を維持しなくてはならないという財務要件があります。つまり、借入ではなく株主資本で常に1億円が必要だったので、これを維持するために1年の半分は資金調達に動いていました。そのため、個人的にも事業に集中できなくなっていたんです。

及川: まずはシナジーというより、資本提携そのものが重要だったのですね。

八巻: そうなんです。そんなころ、出資元の一つだったフリークアウトの佐藤裕介さん(現STORES 代表取締役社長)が、一括で出資してくださるという話になりました。

及川: その後のシナジーについてお聞かせください。

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