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ショートドラマ人気の「必然性」 背景にある「新しい消費スタイル」とは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月18日 6時30分

ショートドラマ人気の「必然性」 背景にある「新しい消費スタイル」とは?

新たな視聴スタイルとは?

 最近やたらと気になるネット広告がある。中国語で展開されるショートドラマで、イケメンな若者が、義家族や知り合いたちから侮辱されるという内容だ。私の関心をアルゴリズム側も知ってか、YouTubeショートやInstagram、Facebookに至るまで、私が利用するほとんどのSNSの広告に頻繁に現れる。

 このネット広告は「DramaBox」と呼ばれる中国のショートドラマアプリのもので、中でも先述した作品『辰年!故郷への華麗なる帰還』の一部が切り抜かれてプロモーションとして使用されているようだ。

 当ドラマは、林安という若者が大企業の会長という身分を隠して、妻の実家へ正月の挨拶に訪れるところから始まる。義家族や知人は林安を貧乏人だと思っているため、馬鹿にしたり侮辱したりするわけだが、正に『水戸黄門』のように最終的に林安の身分が分かり、侮辱してきた人たちの鼻柱を折っていく、といったスカッとする内容となっている。

 全89話と話数は多いものの、ショートドラマであるがゆえに起承転結が分かりやすく、テンポもいい。

 この広告の厄介なところは、SNSを跨いでドラマの続きを「見せてくれる」ことにある。例えば、Facebookでは50話付近のエピソードを切り抜いて広告し、Instagramでは55話付近、YouTubeでは60話付近といったように、SNSを日常で使っている中で自然と他で見たエピソードの続きを、他のSNSで目にする機会があるのだ。

 そして、いつも「起承転結」の結だけは広告に使用されてない。嫌でもこのドラマの続きが気になるし、広告が現れると「よっしゃ!」と食い入るように見てしまう。

 この広告のコメント欄を見ると「やっと続きを見つけた!」「結末はどこで見られるの?」といったコメントが散見でき、他のユーザーたちもたまたま遭遇できるこのドラマの続きが気になっているのだな、といつも共感してしまう。

 筆者自身は、気になるとは言えど、「DramaBox」のダウンロードにまでは至っていない。時々目にするという偶然性の範囲内で楽しんでいるわけだが、SNSを見ると、ドラマの続きが気になりすぎて実際にアプリをダウンロードする者も少なくはないようだ。

●ショートドラマ人気の「必然性」 ヒントは、現代特有の消費行動

 Dramaboxに限らず、ショートドラマ市場が存在感を増してきている。emole社が提供している1話3分のショートドラマ配信アプリ「BUMP」は、2022年12月末のアプリローンチから2024年5月の1年半足らずで累計100万ダウンロードを突破し、海外進出も果たしている。

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