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ショートドラマ人気の「必然性」 背景にある「新しい消費スタイル」とは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月18日 6時30分

 最近では、ショートドラマアプリに限らず、TikTokやYouTubeにはストーリー性のあるコンテンツが溢れている。その中でも「ごっこ倶楽部」や「こねこフィルム」などショートドラマに特化した集団も存在する。

 企業のPRなどにもショートドラマは取り入れられ始めている。例えば前述した、ごっこ倶楽部と電通グループのセプテーニによる取り組みでは、九州北部を中心に複数箇所の結婚式場を経営するアルカディアグループの結婚にまつわるショートドラマを作成し、動画投稿後3週間で総再生回数が500万回を超えるなど注目を集めた。

 企業PRであったとしても、分かりやすい「起承転結」ドラマであるがゆえに、広告を娯楽コンテンツとして享受してもらいやすい。また、SNSの仕様によっては動画の長さや動画の残り時間もカウントダウンされていく。後どれぐらい見続ければ満足という予測が立てやすいことが、視聴維持(スキップさせない)につながっていると筆者は考える。

 また、2021年ごろにはTVerに「シーンシェア」という機能が搭載された。ユーザーがSNSなどでシェアしたいと感じた場面で一時停止してシェアボタンを押すとURLが生成され、そのURLをクリックした他のユーザーはTVerでその部分をすぐに見ることができた。番組全体を視聴する必要も、わざわざ番組を探す必要もなく、他のユーザーがおもしろいと感じたハイライトの部分だけをおいしく消費できるようになった。

 このように、長時間の動画や、動画全体ではなく、その動画の一番おいしい部分だけ消化するような視聴方法により、起承転結の「転」や「結」だけで満足できてしまう者も増えている。だからこそ、SNS上で話題の番組のあらすじを見たり、ネタバレ動画で動画の流れを知った後にハイライトの部分を見たりして、動画を消化した気になれてしまうのである。

●ショートドラマの課金 「いま見たい欲」を満たす

 インスタントで技巧を凝らしていない動画がSNSに溢れている中で、テレビで放送されているドラマや映画に比べたら質は落ちるが、他のネット上のコンテンツより質の良い動画が紛れていたら気になってしまうのではないだろうか。

 しかもBUMPやDramaboxがプロモーションとして投稿しているほとんどが、ドラマの切り抜きであり、言い換えればハイライト(面白い)の部分である。また、分かりやすいという意味では冒頭で挙げた『辰年!故郷への華麗なる帰還』ように、ほとんどの作品がベタで、予定調和的で、展開が予想できるものであり、視聴する側もストレスなく気楽に楽しめる作品も多い。

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