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ショートドラマ人気の「必然性」 背景にある「新しい消費スタイル」とは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月18日 6時30分

 一方で、縦型動画の性質やSNSの仕様で動画がリピートされることを意識して作られたコンテンツなども存在する。それらの性質を活用した動画ならではのエンターテインメント性を提供している作品も多く、他のメディアでは体験できない視聴経験ができる点も魅力だ。

 emole代表取締役の澤村直道氏は「いかに短時間で強い刺激を得られるかが最大の関心事。時間に対する心理的なハードルは以前とは比べものにならないほど上がっている」と、日経クロストレンドの取材で答えている。

 その中でも縦長のスマホの画面を生かし、縦にスクロールしながら読める「ウェブトゥーン」は1話ずつ購入でき、短い時間で手軽に読める点が若者の心をつかんでいる。確かに大手商業誌で成功しているマンガを購入するのと、通常待てば無料で読めるウェブトゥーンの続きを購入する意識決定は、同じマンガを買うであっても異なるだろう。

 BUMPにおいても、1話97円で「話売り」する従量課金制が基本だが、最初の3~4話は無料で視聴でき、その後は23時間経過するか、1日3回まで広告を見ることで無料視聴が可能だ。待てなかったり、広告を見て無料になる回数がなくなったりしたユーザーが、その日のうちに見たいとお金を払う。といったようにマンガアプリと同様のビジネスモデルが導入されている。

【訂正:2024年10月28日午後5時00分 初出で「1話67円」と記載しておりましたが、「1話97円」に訂正いたします。】

●ショートドラマの人気、まとめると?

 今回はショートドラマアプリの人気について考えてみたわけだが、まとめると以下が人気の要因であると筆者は考えている。

1. SNSで頻繁に動画の面白い部分が投稿拡散されていて、その続きを見るためにアプリをダウンロードすれば、一定数は無料で視聴できる。先が気になったら、数十円課金すれば、すぐ視聴したい衝動を解消できるという、ビジネスモデルが現代消費者のコンテンツの消費方法に合っている。

2. 「消費するモノが多すぎて何を消費していいか分からない、長尺コンテンツを見て失敗したくない(時間を無駄にしたくない)、でもインスタントに娯楽への欲求を満たしたい」というニーズに対して、短尺で何かを見た気になる感覚を与えてくれる。

3. 短い時間に起承転結が詰まっていて、メリハリのある展開が予定調和や、ドラマあるあるといった展開の予想のしやすさを生んでいる。中でも不倫や略奪、復讐劇といったギスギスした人間模様といった刺激のあるストーリー性の分かりやすさがある。

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