やりすぎやん、スシロー! 鶴瓶のCM“抹消”は危機管理的にアリかナシか?
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月5日 6時10分
これと同じ理屈で「クレームに一度屈した企業」というのは、モンスタークレーマーたちの標的になりやすい。今回の対応でスシローはまさしくそこにハマってしまった。
例えば、今後スシローの広告やキャンペーンに中止や取り下げを迫るモンスタークレーマーたちはこんな風にゴネることができてしまうのだ。
「なぜやめない! 鶴瓶CM削除のときはちゃんと対応したじゃないか!」
「鶴瓶のときは客の意見を聞いたのに、なぜ今回は無視するんだ!」
つまり、「お客さまの意見によって、鶴瓶さんの広告を取り下げました」とコメントしたということは「今回、わが社は理不尽なクレームに屈しました」と世間に発表したようなものなのだ。
だから、危機管理が徹底している企業はスシローのようなコメントは出さない。本来、イメージキャラクターを起用するか否かなど「企業側が決める」ことだ。というわけで、芸能人のスキャンダルがあって契約解除するときは「契約満了を迎えました」などと説明するのが常だ。
●「誤った制裁の例」として語り継がれてしまう可能性も
これはうそでも何でもなく、通常の契約書には、タレント側に問題が発覚した時点で、契約が解除できる旨が記載されている。つまり、これもある意味では「契約満了」といえなくもないのだ。
わざわざこのような言い換えをするのは、企業の窓口や公式アカウントを荒らしている人たちに対し、「あなたたちのクレームに屈したわけじゃないですからね」と暗に伝え、勢いづかせない狙いもある。
(2)の「鶴瓶さんが注目されるたびこの件が蒸し返される」は、多くの説明がいらないだろう。これからの週刊誌報道などで、鶴瓶さんが「トラブル」に関与していた事実などが明らかになれば「さすがスシロー神対応! こうなることを予見していたのか」と称賛の嵐となるだろう。
しかし、関与もなく単なる「とばっちり」だということが明らかになると、「そういえば、スシローはCM削除をしましたね」と水を向けられて、「やりすぎだったのでは?」「過剰反応にあきれる」などと批判的な声が増えていく。
実際、鶴瓶さんは2月2日放送のラジオ番組『MBSヤングタウン日曜日』(MBSラジオ)に出演した際、本件については何も語らないとしながら、自身のネタ帳に関する話の中で「歴史に残るとばっちり!」と言い放って話題になった。
当たり前の話だが、タレントも人間なので自分に非がないのに一方的に契約解除をされれば、その企業に悪意を抱く。公の場で語らずとも、親しい人たちや周囲にはその企業への「不満」を語る。それが伝言ゲームで拡散され、尾ひれが付いてメディアに掲載されるときには「とんでもない悪口」になってしまう。
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