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在留外国人向けSIM「Smiles Connect」が生まれたワケ 2回線の“コンボプラン”や送金サービスとの連携が面白い

ITmedia Mobile / 2024年9月6日 6時5分

 当時も日本の銀行にはモバイルで完結するサービスはありましたが、それを海外送金に取り入れた形です。外国人の中には毎週のように送金する方も多いのですが、「窓口に行かなくてもいい」「夜にも送金できる」という利便性が広がり徐々に規模を拡大してきました。

―― 一見、MVNOとはあまり関係なさそうですが、通信に参入した理由を教えてください。

梅川氏 海外送金はモバイルで完結するということで、アプリ自体も使いやすいUI(ユーザーインタフェース)にこだわって開発してきました。他社も後発でもモバイルアプリを展開してきましたが、その中でも弊社はどんどんユーザーを獲得でき、特にフィリピン人の中ではかなりのシェアを持っています。このように規模が拡大するのに伴い、外国人の方が日本で生活していく上で、インフラサービスを日本人と同じように使えないという課題が見えてきました。

 海外送金に関しては、われわれがサービス提供することで解決でき、便利になっていた一方で、銀行口座やクレジットカードを作りたくても身分証明書や与信の問題があって申し込んでもできないということが課題として残っていました。クレジットカードが作れない、銀行口座が持てないとなると、契約時にそれが求められる携帯電話の契約にも支障が出てきます。

 中には契約できるところもありますが、ここ数年で一般的になっていたMVNOのような、安い通信プランを提供している会社とはなかなか契約ができませんでした。銀行口座やクレジットカード以外にも、言語の問題があって日本語でしか申し込みのフローが提供されていないこともあります。大手だとさすがに英語のメニューはありますが、例えばベトナム語やインドネシア語まで準備しているところはまずありません。

 それでもがんばってキャリアショップに行き、手続きできたとしても、プラン変更や機種変更でまた大変な思いをします。安い料金プランが出てきたとしても、それに乗り換えるのが難しい。オンラインで申し込みが完結するようなところだと、どうしてもクレジットカードがいりますからね。クレジットカードがないから、端末を割賦で買えないという問題もあり、なかなか日本人と同じように便利で安いサービスが使えません。弊社のユーザーが増えるのにつれて、このような声も集まってきていました。

 われわれはモバイルサービスを提供している会社なので、「送金しようとしても(MVNOで)昼休みの通信速度が出ず、使えなかった」という声も集まってきます。そういった通信環境を整えたいというニーズもあったため、ミーク(ソニーネットワークコミュニケーションズから切り出して独立したMVNE)とお話をしてMVNOとしてサービスを提供するに至りました。

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