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在留外国人向けSIM「Smiles Connect」が生まれたワケ 2回線の“コンボプラン”や送金サービスとの連携が面白い

ITmedia Mobile / 2024年9月6日 6時5分

梅川氏 そうなります。1つのプランとして販売しているので、実は内部的には結構複雑なことをしています。社内で最初にやろうと言われたときには「マジかよ……」と思いましたが(笑)、何とかサービスにこぎつけました。確かに弊社側のオペレーションや管理はかなり大変になるのですが、その分、お客さまには大容量を低価格で提供できます。昼と夜間には6Mbpsという制限がかかり、4K動画を見るような用途には使えませんが、普通の利用方法であれば問題なく使えると思います。

―― 利用者が多いのもやはりComboプランでしょうか。

近藤氏 そちらがかなり多いですね。また、データ通信のみでもお安くしている、かつ需要も高いのでその割合も高いです。逆に音声プランのみは、高年齢層でそこまでギガが必要ないという人に3GBが選ばれています。

梅川氏 最初はもっとプランを絞って展開することを考えていたのですが、結局オプションを含めて日本人向けのMVNOと比べてもそん色ない形になりました。年配で電話を使うことが多い方は、安いプランにかけ放題を付けるケースもあります。

―― 外国人の困りごとのお話で、クレジットカードがないから端末も割賦で買えないという事例を挙げられていましたが、今後、Smiles Connectとして端末を販売していくご予定はありますか。

梅川氏 検討はしています。スマホまで扱うとなるとなかなか難しいかもしれませんが、先ほど話に挙がったWi-Fiルーターもニーズは高い。そういった端末を売ってないのかという声もいただいています。在庫の問題もあるので、実際にやるかどうかは検討が必要ですが、将来的には扱いたいと思っています。

―― まだサービスを開始して2カ月たっていない中で恐縮ですが、契約者数の目標はありますか。

近藤氏 将来的には、100万回線までいきたいと考えています。

梅川氏 目標は高くです。そこまでいくと、MVNOのトップ3に入ってしまいますが(笑)。ただ、外国人の方が困っていることが多いので、ニーズはあります。現状でも日本に300万人の外国人が住んでいるといわれていますし、労働力が足りない中、政策として割合や人数が増えていく方向でもあります。そういった方々に向けたサービスとして、一定のシェアを獲得したいと思っています。

●取材を終えて:金融と通信の相性を生かした、MVNOのお手本のようなサービス

 大手キャリアの手掛けるサービスを見ても分かるように、金融と通信は相性がいい。特にSmiles Connectの場合、ターゲットは銀行口座やクレジットカードの契約がしづらい外国人のため、その相乗効果は一般的なキャリアよりも高いといえそうだ。自社の強みを生かしつつ、大手キャリアが攻め込めていない領域を狙うという意味では、MVNOのお手本のようなサービスだと感じた。

 ターゲット層が明確なこともあり、料金プランも非常に面白い。小容量の音声プランと大容量のデータプランを別個に調達し、1つにまとめて提供しているのは自社で直接大手キャリアと接続していないMVNOならでは。2カ所から調達したSIMを1つにまとめて提供するのは苦労も多そうだが、その成果として独自性も出せている。日本人向けのサービスと比べ、市場規模は限られているものの、そこに深く刺さればシェアを伸ばすことができそうだ。

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