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日本通信が“290円で作ったCM”を流したワケ 290円プランの訴求で収益が出るのか? 福田社長に聞く

ITmedia Mobile / 2024年9月25日 14時39分

 その辺をしっかり、ある程度の期間で上げようとすると、何だかんだ言いつつもテレビのパワーはすごい。知名度はテレビで撮って、そこから先はデジタルです。無名の会社なので、登場感を出すにはテレビを使わなければいけないと考えました。

 課題もありました。キャリア各社、特にモバイルキャリアは、みなさん、とんでもない広告宣伝費を使っています。その巨大なタンカーがひしめき合うところに、ささの葉でこぎ出したところで見向きもされません。そこをどうしようかということを考えました。

 各社のボリュームがとんでもない中で、かき消されないようにするにはどうしようというところからスタートしています。悪ふざけではないですが、ちょっとばかっぽさを出して取りあえず知名度を確立する手法は昔からありましたが、うちはストレートに内容をきちんと伝えることがいいと考えました。290円という料金は、普通の感覚からすると1桁違う。アピールできるところがあるので、ここをきちんと出すことにしました。

●プレゼンは手書き、カメラはiPhoneを使用 15秒になかなか収まらずに苦労も

―― 制作費が290円というアイデアはどこから生まれたのでしょうか。

福田氏 タレントを起用することも考えました。コストを抑える必要があったのでタレントをやっている知人ですが(笑)。でも、それも何かが違う。これは、僕自身がAppleにいてスティーブ・ジョブズから受けた影響ですが、変化の多い時代に生き続けられる会社は、コストリーダーシップを持った会社です。Appleであれば、iPhoneをずっと安く作っている。安く作って提供できるのは、コストリーダーシップがあるからです。通信の世界だと、日本通信はそういう会社と思っていて、オペレーションの仕方もどこまで安くできるかをやってきました。

 昨年(2023年)からは、マイナンバーカードの署名検証で本人確認をして、eSIMを発行するということをやっています。それまでは免許証の写真を送ってもらって人間かどうかを確認していましたが、そういうところにすごくコストがかかる。早くからeSIMに対応していたのも、eSIMなら出荷しなくていいし、SIMカードを作る必要もないからです。

 コストリーダーシップを持つということは、僕自身のポリシーでもありますが、会社としても基本線にしています。それを追求しようとなったときに、「じゃあ、290円でCMを作ろう」となりました。会議でそれを言ったら、誰かが「できないだろう」と言いましたが、その瞬間に「よし、それでやろう」と決定しました。

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