地震発生! 直後と避難時で違った“必要な情報源” 宮崎在住者が2度の大規模地震で悟ったこと
ITmedia NEWS / 2025年1月24日 15時13分
実際に津波が観測されたのは、宮崎港で午後9時48分、津波の高さは20cmであった。津波の高さは、震源地から海岸線までの距離、海底の地形、沿岸部の地形などに大きく左右される。V字型の海岸線では、海水がどんどん中央に集まってくるので津波も高くなる。幸い日向灘の海岸線は長距離で平たんなので、海水が集まってくる場所はあまりないが、それでも海へ向かって拡がっている河口などはいくつかある。
今回は規模が小さかったので大事には至らなかったが、この公式情報の錯綜は問題だろう。東日本大震災の際、もっとも津波が大きかった福島県相馬市で「9.3m以上」である。また岩手県沿岸部では、津波の高さ自体は岩手県宮古市で「8.5m以上」とされているが、海面から津波が陸地をさかのぼった高さは約40mにも達した。
そう考えると津波は1mでも、海水が陸地を駆け上がるならば、沿岸部では避難に値する。実際津波警報発令後に、沿岸部の集落では車で高台に避難したようである。
都会の人からすれば、車で避難などしたら渋滞に巻き込まれて身動きが取れなくなるとして、まったくナンセンスに思えるかもしれない。実際筆者もそう思っていた。だが世帯数の少ない沿岸部集落部では、交通渋滞が起こるほどの人口がない。加えて抜け道も多い。われわれが想像するよりも混乱や渋滞もなく、無事避難できたようだ。
ただ夜9時過ぎという時間帯では、すでに晩酌してアルコールを摂取している人も多いだろう。それでは車では逃げられない、という状況になる。とはいえ、だ。徒歩での避難では間に合わない、歩行困難な高齢者がいて徒歩避難は不可能な状況において、法を守ってそこで死ぬべきか、という倫理的問題もある。
現行法での解釈では、飲酒運転は「緊急避難」の要件として認められる可能性は非常に低い。
●緊急情報の効果を整理してみると……
緊急情報は、テレビ・ラジオなどの放送メディアや、ネットメディアを通じて送られてくる。複数台のテレビやラジオ、スマホなどを動員して、情報の伝わり方を調べてみた。
テレビはNHKと民放1局が臨時報道番組に切り替わり、入ってくる情報を繰り返し伝えている。この手法は、ライブで番組が動いており、情報が入り次第伝えられるのだという安心感があった。
一方別の民放は、通常番組放送にL字型のデータ放送を組み合わせて、テキストで情報を流していた。だがこのテキスト情報がいつの情報なのか、最新の情報に切り替わるのかといった不安があった。やはりアナウンサーが顔出しで、ライブで止まる事なく、繰り返し情報を伝えていくというのは安心感がある。
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