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「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり

ITmedia PC USER / 2024年4月24日 16時0分

 IBMが開発した生成AIのwatsonxは、企業が使うことを前提に開発したものですが、生産性をあげたり、便利にしたりといったことだけを目的に提供しているのではなく、プラットフォーム化したことでも分かるように、これを使うことで新たなビジネスの創出を支援するという狙いがあります。日本の企業は、たくさんのデータを持ち、そのデータ品質が高いという特徴があります。生成AIを使って、新たなビジネスを創出できる環境が最も整っている国だといえます。

●生成AI「watsonx」と日本語モデル「Granite」で日本企業のDX推進

―― こういった日本企業の意識改革も、日本IBMの役割ですか。

山口 私は、このことばかりを話していますよ(笑)。私自身は、テクノロジーは大好きですが、watsonxのテクノロジーの話はあまりしないので、「山口さん、watsonxはどうなっているの?」なんて聞かれます。watsonxはDXのためのツールの1つでしかありません。私の周囲では経営を変えたり、新たなビジネスを創出するために、新たなテクノロジーを使っていこうというアグレッシブな経営者が増えていることが心強いですね。

 その一方で、経営会議では「他社がDXをやっているのに、うちはどうなっているんだ」という議論から始まる事例があるという話も聞きます。DXを経営の課題ではなく、ITの課題だと思っているから、こうした話になるわけです。また、ガバナンスを効かせるべく、新たなテクノロジーの採用に慎重な企業が見受けられますが、「攻めのガバナンス」という考え方も重要だと思っています。

―― IBM独自の生成AIであるwatsonxの強みはどこにありますか。

山口 watsonxは、IBM独自の基盤モデルを活用した生成AI機能を提供する「watsonx.ai」と、データとAIを管理するデータストアの「watsonx.data」、説明可能なAIワークフローを構築し、AIガバナンスを確保する「watsonx.governance」の3つのコンポーネントで構成されています。プラットフォームとして提供することで、最適な大規模言語モデルを利用でき、AI利用時のリスク管理、透明性確保、コンプライアンスにも配慮し、エンタープライズが利用できる生成AIとして提供することが可能になっています。

 また、watsonx.dataに蓄積されたさまざまなデータを活用して学習し、watsonx.aiで動作させることができる大規模言語モデルのGraniteを発表しており、日本語性能を向上した「granite-8b-japanese」と呼ばれる日本語版モデルの提供も開始しています。

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