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「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり

ITmedia PC USER / 2024年4月24日 16時0分

 Graniteは80億パラメータと軽量で、インターネット/学術/コード/法務/財務の5つの領域から得たビジネスに関連するデータセットで学習を行っているのに加えて、IBMがビジネス用途向けにキュレーションしている点が特徴です。

 Granite日本語版モデルでは、5000億トークンの日本語/1兆トークンの英語/1000億トークンのコードの合計1兆6000億トークンによる高品質データセットを学習するとともに、「日本語トークナイザー」と呼ぶ、日本語に特化した言語処理を導入したことで、長い日本語の文章を効率的に処理して、より高速な推論を実現しています。

 また、好ましくないコンテンツを除去するための綿密な検査や、社内外のモデルとのベンチマーク評価も行っており、watsonx.dataとwatsonx.governanceとの連携によってリスクを軽減し、責任ある形で、モデル出力ができるように設計しています。さらに、テクニカルレポートを通じて技術仕様に関する詳細を公開するなど、Graniteモデルの学習に使用されたデータソースを公開し、透明性を高めることで、AIの適用をより安心して進められるようにしています。エンタープライズグレードの日本語能力を持つ大規模言語モデルだといえます。

 今後Graniteをベースにして、日本の市場に合わせた業種特化型の生成AIを提供していく予定です。

 これまでのAIは特別な企業や特別な人が作って、特別な人たちが利用するものでしたが、生成AIによって、みんなが作って、みんなで使える世界に入っていくことになります。そういった世界において、安心してAIを使ってもらうために、IBMが発起人となって国際的なコミュニティである「AI Alliance」を設立しました。日本の企業や大学にも参加をしていただいており、今後、さらに参加企業が増加することになるでしょう。AIイノベーションのメリットを誰もが安心して享受できるよう、責任あるAIの実現を推進していきます。

 さらに、IBMでは、システム管理やプロジェクト管理、システム運用、障害対応といったところにも生成AIを活用して、やり方を大きく変えていこうと考えています。スキル不足や労働人口不足にも対応できます。

●IT/AI人材育成に注力 グローバル人材を育て新たなイノベーションを

―― その一方で、生成AIは多くの仕事に取って代わるという議論もあります。

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