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WWDC24で見えたAppleのもくろむ未来 “5+1”の視点で読み解く

ITmedia PC USER / 2024年6月20日 13時0分

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WWDC24の基調講演は、4フロア分の吹き抜けが心地いいApple社屋の巨大な社食「Caffe Macs」と、その外庭を使って行われた

 Worldwide Developers Conference──通称「WWDC」は、Apple製品にアプリや周辺機器を提供する開発者が世界中から集まるイベントだ。Mac登場前年の1983年から開催されており、筆者は1992年から参加している。

 90年代後半には日本でも本国の1~2カ月遅れで縮小版の「Japan Developers Conference」が開催されていたが、98年にスティーブ・ジョブズ氏が中止させた。筆者はその年のWWDCで、壁際で講演を見ていたジョブズ氏に「是非、日本での開催を続けて欲しい」と要望を伝えた。

 彼はしばらく考えた後、「日本に全従業員を連れていくことはできないので、継続してもイベントは(それまで通り)WWDCの縮小版にしかならない。それよりも1週間だけAppleの全従業員と世界中のトップ開発者が1カ所に集まることに大きな意義がある」と答えた。

 実際、WWDCは、ただ一方的にAppleから情報提供を受ける場ではなく、開発者がAppleで製品を開発しているエンジニアに意見や要望を直接伝える場としても重要だ。

 2011年、亡くなる直前のジョブズ氏が最後に登壇したイベントもWWDCだった。降壇後、大勢のファンに囲まれ写真を撮られながらも、1分ほど妻のローレン・パウエル氏と無言で抱擁する珍しい光景が話題となったが、この時、ジョブズ氏はこれが最後の講演になると悟っていたのかもしれない。

 それでも参加した学生による自作アプリの説明にも真剣に耳を傾けている姿が印象に残っている。このWWDCの数週間後、ジョブズ氏はクパチーノ市議会に登場し、数年後の完成を目指すApple新社屋、現在の「Apple Park」建設計画をプレゼンした。

 コロナ禍でオンラインのみの開催となった20年以降のWWDCは、そのApple Parkが会場になっている。しばらくは映像の配信のみだったが、22年以降はそれまで外部の人の立ち入りを一切許さなかったApple Parkのドーナツ型の本社ビル「Ring Building」が、WWDC期間中だけ参加者に一部開放され、Appleが開発する最新テクノロジーと共に同社の文化にも触れられるイベントへと進化した。

 ただし2008年以降、参加枠がわずか数分で売り切れるようになったため、招待開発者以外に関しては抽選で参加者を選ぶ形式を取っている。

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