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シャープがEVを売りたい理由 CTOに聞く、“シャープらしさ”を取り戻すために今考えていること

ITmedia PC USER / 2024年9月12日 15時5分

 LDK+という名称は、家の中かにあるL(リビング)/D(ダイニング)/K(キッチン)に加えて、柔軟に使うことができるもう一部屋を実現するという意味を込めています。

 また、こんなこともヒントになりました。カーシェアやレンタカーの会社に話を聞くと、今は動かない利用が増えているそうです。営業担当者がEVを借りて、エアコンを効かせながらクルマを動かさずに会議をしたり、テレワークをしたりという用途で使っているというのです。会議の音が漏れずに、周囲に気兼ねなく発言ができるというクルマならではの特性を生した使い方です。まさに、仕事のための部屋がEVの中で実現されているわけです。

 EVになればデータ連携も可能ですから、家庭内で使用している家電で蓄積したデータを元に、その人の好みの温度や、シーンに合わせた明かりを提案し、EVと車のどちらで映画を見た方が省エネであるかといったこともAIが提案してくれます。当社独自のAI技術であるCE-LLM(Communication Edge-LLM)やAIoT技術を活用して、住空間/人/エネルギーの3つをつなぎ、快適でサステナブルな空間を実現できるというわけです。

 EVの世界の1つの可能性として、当社の強みを生かした提案がLDK+です。当社はブランド事業で、他社に真似される商品作りを目指していますが、EVの世界においても新たな価値を作り、提案するという姿勢を打ち出していきます。EVは当社が役に立てる領域であり、当社にとって、魅力的な市場だといえます。

 なお、SHARP Tech-Dayの開催初日には、「EVのグローバル動向とシャープのEV取り組み方針」と題して、日産自動車の副COOやニデックの社長を務めた鴻海精密工業 EV事業CSOの関潤氏と、私が登壇して基調講演を行う予定です。

●イノベーションアクセラレートプロジェクトで開発スピードを2倍に

―― SHARP Tech-Day'24では、50以上の展示のうち、CE-LLMを始めとするAI関連の展示が半数以上を占めます。シャープがAIに対する取り組みを積極化していることを感じます。

種谷 当社の経営トップを始め、多くの社員がAIはユーザーに届ける価値を変えることができる技術であり、そこにチャンスがあると捉えています。当社では、新たに「イノベーションアクセラレートプロジェクト(通称:I-Pro)」を、2024年5月からスタートしました。これは、1977年からスタートし、数多くの成果を上げてきた「緊急プロジェクト(通称・緊プロ)」を進化させたものであり、CEO主管の全社プロジェクトとなっています。

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