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シャープがEVを売りたい理由 CTOに聞く、“シャープらしさ”を取り戻すために今考えていること

ITmedia PC USER / 2024年9月12日 15時5分

 各ビジネスグループから開発に適した人材を集めて総力を結集し、開発スピードを2倍に高めることを合言葉に、新規事業の早期創出を目指しています。現在、EVエコシステムに取り組む「I-001プロジェクトチーム」と、生成AIをテーマに活動している「I-002プロジェクトチーム」があります。

 いずれもキーになるメンバーが集まった組織であり、議論が促進され、全社にも波及しやすい体制となっています。I-Proの1つとして生成AIに取り組んでいることからも、当社がこの分野を重視しているかが分かると思います。私は、I-Proは「シャープらしさ」を取り戻すには必要不可欠な取り組みだと思っています。

―― それはなぜですか。

種谷 私は、「シャープらしさ」は脈々と残っていると思っています。SHARP Tech-Day'24に50以上ものNext Innovationを展示できるということは、まさに「シャープらしさ」が根づいていることの証です。その点は全く心配していません。

 ただ、欠けていたのはビジネスグループ主体の縦割りの開発体制によって、新領域に対してアグレッシブさがなかったという点です。縦割り組織では、イノベーションが生まれにくいのも事実です。組織横断で、CEO主管のもとに推進するI-Proは、「シャープらしさ」を取り戻すことにつながると考えています。

―― シャープの沖津雅浩社長兼CEOは、「シャープらしさが戻るまでには数年かかる」と言っています。時間がかかりますか。

種谷 CEOの立場で見れば、利益を得て初めて「シャープらしさが戻った」といえます。ただし、CTOである私の立場では、今「シャープらしい」商品や技術を出さないと、3年後には利益が出ません。少しでも早く「シャープらしい」商品を出すことが私の役割です。

―― シャープは、2024年度からスタートした中期経営方針の中で、デバイスのアセットライト化を打ち出しています。これまではデバイス(技術)とブランド(商品)がスパイラルで相乗効果を発揮し、シャープの成長を支えてきました。これが崩れることになるのではありませんか。

種谷 もともと当社のデバイスは、シャープの商品の特徴を出すために開発/生産を行ってきました。基本は内需向けです。しかし、途中からそのバランスが崩れ、他社のためのデバイスを作るところに力を注ぐようになりました。デバイスのアセットライト化は、それをもとに戻そうとしているものであり、決して、完全にデバイスをやめるわけではありません。

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