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シャープがEVを売りたい理由 CTOに聞く、“シャープらしさ”を取り戻すために今考えていること

ITmedia PC USER / 2024年9月12日 15時5分

 そもそも、CE-LLMが動作する末端のデバイスは、CPUを始めとして省電力を実現するための工夫が多く盛り込まれています。ここで前処理をすれば、社会全体の省電力化に貢献できるは明らかです。全てをクラウドAIに任せると、エネルギー問題においても懸念があることは多くの人に共通した認識です。

 CE-LLMは、人に寄り添うAIを実現するための要素技術であるとともに、クラウドAIと組み合わせることでAIの価値全体を引き上げることができ、社会問題の解決につなげることができます。

 CE-LLMが「実装」のフェーズに入る中で、今回のSHARP Tech-Dayではコンセプトをより明確にし、価値観をより多くの人に広げ、来年以降の「実用化」に向けたイメージをお見せしたいと考えています。また、CE-LLMでは引き続き、スタートアップ企業との連携も強化しており、その一端も紹介します。

 さらにSHARP Tech-Dayでは、当社のAI戦略の全体像やシャープが提供するAIの価値といったものを発表したいと思っています。新たなデモストレーションもお見せできます。ぜひ楽しみにしていてください。

―― シャープは生成AIによって、どんな価値を提供することができますか。

種谷 端的に言えば「Act Natural」です。Act Naturalでは、AIを利用することで生活そのものが、より自然になることを目指しており、日々の生活の中でAIの利便性を享受できる世界を作っていくことになります。

 ナチュラルな生活の実現が当社流のAIであり、そこに価値を提供します。その点では、知恵を授けるためのAIとは役割が異なります。そして、利用者のそばにあるエッジAIだからこそ、Act Naturalを追求できます。

 家電には数多くのボタンがあり、複合機も利用手順が複雑だったりします。あるいは、料理中にタッチ操作をしなくてはならないのに、手が汚れていて押せないといった不便を感じたことがある人もいるでしょう。Act Naturalが目指す世界は生成AIを利用することで、こういった余計な操作を排除し、リモコンを手に持つことさえ無くすことができるようにしたいと思っています。

 洗濯の際に、洋服の汚れの傾向や汚れ具合、最適な洗濯時間や洗剤の種類を、その都度、人が判断してボタンを複数回押すのではなく、人と洗濯機の間に生成AIが入って、スタートボタンだけを押せばいいという世界が理想です。もしかしたら、スタートボタンを押すことさえいらないかもしれません。これが、当社が目指すAct Naturalの世界観です。

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