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Core Ultra(シリーズ2)にデスクトップ/ハイエンドモバイル向けモデルが登場! これまでのIntel製CPUとの決定的な違い

ITmedia PC USER / 2024年10月11日 6時0分

 前も言ったが、最近のIntelは「これなら、ハイパースレッディングに対応させるコストをEコアの増量に回した方が全体性能が改善するんじゃね?」という設計信条を持っているようだ。

 結局のところ、ハイパースレッディングでは「CPUコアが完全に“分身”する」わけではない。IntelがLion Coveに対して「ハイパースレッディングは載せない」と判断したのは、パフォーマンス向上という面では理にはかなっている。ただし、競合CPUに対してスレッド数が減った(≒パフォーマンスを発揮しづらい)ように見えるのは確かなので、既存ユーザーに対して丁寧な説明が必要になってくるだろう。

 Eコアも、Core Ultra 200Vプロセッサと同じ「Skymont」(開発コード名)を搭載している。元々、Eコアにはハイパースレッディング機構は搭載されていないので、そのあたりの仕様変更はない。

 しかし、Core Ultraプロセッサ(シリーズ1)のEコア「Cresmont」(開発コード名)と比べると、「浮動小数点演算/AVX系SIMD演算のパフォーマンス改善」「アウトオブオーダー実行の範囲拡大」など、CPUコアとしての基礎性能を高める措置が施されている。

 この効果はてきめんなようだ。Intelによると、第13世代CoreプロセッサとCoreプロセッサ(14世代)のEコア「Gracemont」(開発コード名)と比較した場合、整数演算のパフォーマンスはシングルスレッド/マルチスレッドの双方で最大32%向上し、浮動小数点演算のパフォーマンスはシングルスレッドで最大72%、マルチスレッドで最大55%向上したという。筆者としては「『Eコア』という呼び方で損をしている」という印象を持った。

 このLion CoveとSkymontについての深い解説は、いずれ回を改めて行いたいと考えている。

●タスク振り分けが一層洗練された「Intel Thread Director」

 Arrow Lakeでは、CPUのキャッシュメモリの階層構造に大きな変革はない。ただ、着実かつ順当な強化はなされている。

 全てのCPUコアで共有するL3キャッシュの容量は最大36MBとなる。これは第13世代CoreプロセッサとCoreプロセッサ(14世代)から変わりない。

 L2キャッシュについては、Pコアでは1コアあたり3MBに増強された。これは第13世代CoreプロセッサとCoreプロセッサ(14世代)におけるPコアの1.5倍の容量だ。Eコアは4基あたり4MBのL2キャッシュを共有する設計で、第13世代CoreプロセッサとCoreプロセッサ(14世代)と同じだ。

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