Core Ultra(シリーズ2)にデスクトップ/ハイエンドモバイル向けモデルが登場! これまでのIntel製CPUとの決定的な違い
ITmedia PC USER / 2024年10月11日 6時0分
PコアのL2キャッシュを増量した理由はシンプルで、比較的長いループを回るスレッドの実行を担当する機会が多いからだ。L2キャッシュの強化(増量)は、メモリへのアクセスを低減させ、シングルスレッドの性能向上に直結する。
スレッド(ワークロード)をPコアとEコアに振り分ける「Intel Thread Director」は、第13世代CoreプロセッサとCoreプロセッサ(14世代)はもちろん、Core Ultraプロセッサ(シリーズ1)やCore Ultra 200Vプロセッサとも少し異なるアルゴリズムで動作するという。
まずEコアだが、従来の第13世代CoreプロセッサとCoreプロセッサ(14世代)の場合は「平均IPCがどのくらい出ているか?」ということだけを基準とするシンプルなアルゴリズムでスレッドの割り振りを行っていた。
それに対して、Arrow Lakeでは従来のPコアに近い精度のテレメトリーベースの割り当てが適用される。つまり、例えば「どのアドレス範囲のスレッドを、どのくらいの稼働率で、どのくらいの時間動かしたか」「どんな種別の命令が実行されたのか」「CPUキャッシュのヒット率はいかほどか」といった情報を蓄積し、Eコアに継続して従事させるのか、あるいはスレッドを別コアに割り当て直すのか、といった判断を行う。ここで言う「別コア」には、Pコアだけでなく、別クラスタにあるEコアも含まれる。
Pコアにおけるスレッド割り振りは、従来通りテレメトリーベースのアルゴリズムで行われる。ただし、高いシングルスレッド性能が要求される場合は、なるべくPコアに集中してスレッドを割り当てるように振る舞うという。
これらのスレッド割り当ては、ニューラルネットワークベースの予測メカニズムを採用しているとのことで、「このスレッドはどのコアに割り当てるべきか?」の予測精度が劇的に向上したとIntelは説明している。
Arrow Lakeには、ハイパースレッディング機構がない。とはいえ、マルチコアCPUであることには変わりなく、マルチスレッド処理には対応している。当然、OSレベルが行うコンテキストスイッチングも普通に対応している。
Core Ultra 200S/200HXプロセッサは、ゲーミングPCでの採用が多くなると思われる。その際に、ゲームのメインスレッドを動作させているPコアを、不用意かつ高頻度にプリエンプションさせて別スレッドを割り当ててしまっては、ユーザーのためにならない。
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