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上意下達文化からの脱却 危機的状況のパナソニックを打開するために楠見グループCEOが掲げる「啓」から「更」

ITmedia PC USER / 2025年1月8日 10時5分

上意下達文化からの脱却 危機的状況のパナソニックを打開するために楠見グループCEOが掲げる「啓」から「更」

2025年の一字を掲げる楠見グループCEO

ポストコロナ時代に入ったが、世界情勢の不安定化や続く円安など業界を取り巻く環境は刻一刻と変化している。そのような中で、IT企業はどのようなかじ取りをしていくのだろうか。各社の責任者に話を聞いた。前編の記事はこちら。

 パナソニックグループは、2024年度を最終年度とする中期戦略において、目標とした3つの経営指標のうち、2つが未達になる見通しだ。パナソニック ホールディングスの楠見雄規グループCEOは、その状況を捉えて「危機的状況」と表現する。

 そのベースにあるのは、長年に渡って染みついてしまった上意下達の文化にあると、楠見グループCEOは指摘する。2024年には「啓」、「UNLOCK」という言葉を使い、社員一人ひとりのポテンシャルを開放することに取り組んで打開を図ったが、危機的状況はまだ続いているとも語る。

 パナソニックグループの「危機的状況」とは果たして何か、そして、2025年はどんな成長を遂げるのか。PC USERの創刊30周年記念特別インタビューとなる楠見グループCEOのインタビュー後編では、パナソニックグループが抱える課題と、それに向けた打開策について聞いた。

●松下電器の伝統が失われている――危機感が「UNLOCK」という言葉に

―― 楠見グループCEOは、2024年の言葉として「UNLOCK」を打ち出していました。これを掲げた狙いを教えてください。

楠見 2024年の一字として「啓(ひらく)」という言葉を選びました。「開放する」「人の目を開き、物事を理解させる」「闇が明ける」といった意味を持つ言葉で、2024年のパナソニックグループにとって、重要な言葉になると考えたからです。

 ただ、この漢字一文字だけでは説明が難しく伝わりにくい。そこで考えた結果、これはUNLOCKという言葉につながるのではないかと思い至ったわけです。2025年4月13日から開幕する大阪・関西万博のパナソニックグループパビリオン「ノモの国」のテーマがUNLOCKですし、パナソニックグループの社員一人ひとりのポテンシャルをUNLOCKすることが、2024年において取り組むべきテーマであることを示しました。

 そこで2024年は、「啓」という文字と共にUNLOCKという言葉も一緒に筆で書き、2024年の一字にしたわけです。

―― この言葉が出てきた背景にある課題感とは何だったのでしょうか。

楠見 企業にとって大事なことは、従業員が生き生きとし、高い目標に向かって失敗を恐れずに挑戦し、多少つまずいても、また起き上がっていく姿勢を持つことです。

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