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米シリア爆撃で北朝鮮核開発に本腰

Japan In-depth / 2017年4月10日 7時45分

(2)国際法的には、米軍による一方的な攻撃を正当化する根拠は希薄と考えざるを得ない。ティラーソン国務長官がシリア軍によるハーン・アッ=シャイフーン攻撃を批判したときに引用した2013年の国連安保理決議2118号は、たしかにシリアに対して化学兵器の使用や保有を禁ずるものである。

しかしながらこの決議は、強制力の行使にかかわる国連憲章第七章をひかず、25条の加盟国による決議順守義務をひいているに過ぎない。それどころか決議前文において、現在のシリアにおける危機は、2012年のジュネーヴ宣言に基づく包括的且つシリア主導の政治プロセスを通じてのみ解決されることが強調されており、武力行使の根拠にはなろうはずもない。

化学兵器の使用は許容されるべきものではないながら、これが米国の死活的な国益を侵すものと判断されようとも国連憲章の言う自衛権を構成するには至らない。さらに、人道的な武力行使を単一の国の判断で行使することを許容するならば、これは極めて悪しき前例となりかねない。

(3)ハーン・アッ=シャイフーンにおいて化学兵器が住民に深刻な影響を及ぼしたことについては、一定の共通理解があり、事実と言えよう。しかし露は、反体制派が保有していた化学兵器庫にシリア軍が攻撃を加え、その被害が住民に拡大したと主張している。シリア軍が化学兵器を使用したと主張する現時点の米国の根拠は、かつてシリア軍が化学兵器を使用した(と米国が主張する)際に、同じ飛行機が同じ飛行場から飛び立ち、その結果住民に被害が出たからというものであるが、この状況証拠だけでは、双方の議論を終結させる決定的なものにはならないように思われる。

2013年の際にも、議論が空回りし、結局国連の調査ミッションが派遣され、当初使用したと考えられる場所と別な場所で化学兵器使用の痕跡が発見されることになった。本来は空爆以前にミッションが派遣されるべきだが、重要なことはファクトであり、化学兵器の問題を終わらせるためにも、これからでも遅くないので調査ミッションの派遣を進めるべきであろう。

なお一部では、シュアイラート軍用基地の化学兵器関連施設が空爆されたとの報道もあるが、同基地は2013年以来、OPCWの査察監視下にあり、貯蔵庫のようなものが存在するとすれば、後からばれてしまうので、この報道は疑わしいように思われる。

(4)米国の空爆は、アサド政権を支えながら昨年12月以降にはシリア情勢をめぐる国際社会の主導権を握り、化学兵器に関する危機回避のイニシアティヴをとってきたロシアを刺激するものである。ロシア軍はシリア国内に相当入り込んでおり、昨年にはまんまと49年という長期(更新可能)のタルトゥース港租借権まで手に入れた。

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