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「国難突破解散」に疑問符

Japan In-depth / 2017年10月22日 20時0分

不安を煽るために気休めの避難訓練等を行わせているだけだ。これらは戦時中のバケツリレーで焼夷弾の火を消すようなものであり、いたずらに国民の不安を煽るだけだ。モリカケ問題で地に落ちた政権の支持率を、国民の不安を煽ってあげようと勘ぐれても仕方あるまい。

更に申せば、核兵器や弾道弾よりも剣呑な北のサイバー攻撃に関して安倍政権は特に述べていない。サイバー攻撃、サイバー・テロは犯人の特定が極めて難しいし、確実なエビデンスの確保もこれまた難しい。しかも、北のサイバー部隊はかなり優秀とされている。

発電(特に原発)、金融機関、航空や鉄道の管制などのシステムに悪さをされれば大きな被害を受ける。しかもサイバー攻撃は使用に際しては核兵器や弾道弾よりも遙かにハードルが低い。実際に北朝鮮や中国によるとされるサーバー攻撃が我が国や米国などでも確認されている。このことを安倍政権は国民に説明していない。

 

■ 日本の対応は正しいのか?

無論、北朝鮮の核兵器や弾道弾が全く使用されないという保証はない。例えば金正恩が実は不治の病で、死なば諸共でこれらの兵器の使用を命じるという可能性もないわけではない。独裁国家内部の政治権力構造や意思決定のプロセスを他国が窺い知ることは極めて難しい。

また核開発や弾道弾の開発や実用化に関する情報も正確に把握することはできない。例えば北朝鮮問題の専門家で、誰が半年前に現在の水爆やICBMの開発状態を予見しただろうか。つまりあまりに不確定な情報しか我々は持ち合わせていない。だからこそ最悪の場合に備えておくことが必要だ。

故に脅威が全くないとは筆者も考えていない。だから筆者は長年保険としてMD(ミサイル防衛)に賛成してきた。そもそもMDは北朝鮮だけではなく、中国やロシアに対するためのものでもあることは言うまでもない。

それだけ北の暴発が危ない、危ないと大騒ぎするならば東京オリンピック開催も止めた方がいいだろう。また攻撃に対して極めて脆弱であり、攻撃を受けると広範囲に分かって放射能の被害が拡散する原発の再稼働も見直すべきではないだろうか。

繰り返すが、仮に弾道弾による攻撃が起きた場合に対処するためでは現在の有事法、国民保護法では依然不十分であるが、第一次安倍政権から安倍首相がこの改定に手をつけたことはない。つまりその程度の「脅威」しか感じていないということだろう。

更に問題なのが安倍政権は北朝鮮の弾道弾、核兵器対策としてまともな検討もしないで初めに導入ありきでイージス・アショア導入を政治決定したことだ。イージス・アショアはイージス艦のシステムを地上用に転用したもので、既に欧州ミサイル防衛のためにルーマニアに建設されている。

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