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「国難突破解散」に疑問符

Japan In-depth / 2017年10月22日 20時0分

 

■ 日本の兵器調達の合理性は?

過去安倍政権は同様に戦略無人偵察機グローバルホーク、ティルトローター機MV-22オスプレイ、水陸両用装甲車AAV7など高額な米国製兵器を、まともな調査もしないで「大人買い」した。これらはそもそもどのような目的で、どのような使い方をするのか、それらが考慮も調査もされずに導入されて、自衛隊では費用対効果が低い。のみならず、既存の装備の予算を圧迫して装備調達や、装備の維持訓練費、需品など必要な予算が取れないなどの問題が起こっている。

▲写真 オスプレイ NV-22 出典:U.S.Navy

例えばAAV7は当初3年のトライアルが予定されていたが、アメリカの要求で半年に削減され、想定されている南西諸島での試験すらされずに調達が決定した。AAV7は砂浜でないと揚陸できない。つまり尖閣諸島などの珊瑚礁や護岸工事された海岸では使いものに、ならず宮古島や沖縄本島などでしか使えない。

▲写真 水陸両用装甲車 AAV7 出典:陸上自衛隊

換言すれば政府の言う「島嶼防衛」とは尖閣諸島などの離島のみならず、人口の多い宮古島や沖縄まで中国に取らせてから、上陸作戦を行って、民間人を巻き込んだ大規模な戦争を行うと主張していることになる。これが島嶼防衛とはとても言えない。

しかもAAV7は米海兵隊の中古をリファブリッシュして購入する案もあったが、わざわざ高いカネを払って新造している。米国の軍事産業にカネを落とすことが目的であるとしか思えない。

グローバルホークも同様で、「南西諸島での該当空域での滞空時間は僅か数時間に過ぎず、飛ばせるのは週に2,3回程度」(防衛省高官)、しかも得られた情報は米軍経由で自衛隊は生情報に触れることができない。しかも初年度の予算要求時に運用部隊も構想も決まっていなかった。

▲写真 戦略無人偵察機グローバルホーク 出典:U.S. Air Force

しかも調達決定後に米政府は調達から廃棄までのライフ・サイクル・コストについて、機種選定の際に示していた1700億円の2倍近い3000億円以上を吹っ掛けてきた。これまたいつも通りの成り行きだが、完全に我が国は足下を見られている。

防衛省は地上装置や整備用器材などの導入に初期費用を約1000億円負担する。更に維持管理のための費用が毎年約100億円もかかる。我が国でグローバルホークを運用するためのインフラを只で整備してやったようなものである。

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