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「国難突破解散」に疑問符

Japan In-depth / 2017年10月22日 20時0分

▲写真 ルーマニアのイージス・アショア flickr : Commander, U.S. Naval Forces Europe-Africa/U.S. 6th Fleet

確かにイージス・アショア導入はMD強化の一案ではあろうが、他にも米国のTHAAD(Terminal High Altitude Area Defense missile:終末高高度防衛ミサイル)やイスラエルのアローシステムなど他のシステムも存在する。

イージス・アショアを導入すれば基本的に既存のMD対応イージス艦と同じであり、PAC3と二層の迎撃体制と変わらないが、THAADであれば3層となる。またアローは4層の迎撃体制をとっている。

▲写真 THAAD発射実験 Wake Island 2015年11月 flickr : U.S. Missile Defense Agency

▲写真 アローシステム発射実験 2004年7月 出典:U.S.Navy

これらのシステムを比較検討し、運用上、調達及び維持コスト、将来の拡張性や、どのような組み合わせによるポートフォリオを組むのか、また配備地域のアセスメントなども必要である。

イージス・システムのレーダーは非常に強力であり、海自のイージス護衛艦がイージスのレーダーを使用する場合、総務省から、距岸50マイル以遠での使用することと制限を受けている。

イージス・アショアが配備された場合、周辺の家屋などのテレビに問題がでることも予想される。このため事前に人口が過密でない、配備予定地候補の選定も必要だ。また周辺住民の了解も必要だ。そのためには相応の予算を取り、時間を掛けて調査することも必要だ。だが、安倍政権はそれを行わずに、イージス・アショア一択である。思考停止も甚だしい。アメリカ政府に言われたから買う、というのであれば独立国家ではあるまい。

さらに米国がリリースを許しているイージス・アショアはルーマニア配備されているのと同じ現用型である。だが米国は22年からイージス・アショアのレーダーに、探知性能を大幅に向上させた最新鋭の「スパイ6」タイプの運用が始まるが、これは現状では輸出が許されていない。現行型が装備している「スパイ1」レーダーでは日米が共同開発し、射影距離や速度が向上した最新の迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」を追尾しきれず、イージス・アショアの能力を最大限に生かせない。

▲写真 イージス艦から迎撃実験の為に発射されるSM-3ブロック2Aミサイル 2017年2月 ハワイ 出典:Commamder,U.S.7th Fleet

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