戦前から続く忠犬ハチ公の国際親善 「ヘレン・ケラーとハチ公展」NYで開催
Japan In-depth / 2018年1月17日 11時9分
井上麻衣子(ジャーナリスト/ビデオグラファー/ストリート・フォトグラファー)
【まとめ】
・NYで「ヘレン・ケラーとハチ公展」が開催。
・1937年来日したケラーは秋田犬を初めてアメリカに連れ帰った。
・秋田犬は米国でも大人気、今後両国の絆を深める役割を果たすだろう。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=38061 サイトでお読み下さい。】
ニューヨーク、マンハッタンの日本国総領事館では、戌年にちなんでか、一風変わった展覧会が開かれている。会場に入るとまず目に止まるのは、ハチ公像の鼻を愛おしむように撫でながら微笑む女性の姿をとらえた一枚の写真。タイトルは「渋谷駅でハチ公像に触れるヘレン・ケラー」。
三重苦を乗り越え、社会福祉家として名を馳せたヘレン・ケラーと、帰らぬ人となった飼い主を渋谷駅で待ち続けた忠犬ハチ公。どちらも世界的に有名な存在だが、このヘレン・ケラーとハチ公の「特別な関係」を知る人は、そう多くはないだろう。
この「ヘレン・ケラーとハチ公展」の仕掛人は、おととしニュージャージー州のペット霊園にお目見えした忠犬ハチ公と上野教授の銅像建立に尽力した由美・マクドナルドさん。(関連記事)1930年代、渋谷駅で上野教授を待つハチ公を毎日目撃していたという母の思い出話をまとめ、著書「Reminiscence of Shibuya(追憶の渋谷)」を記した在米の文筆家だ。
写真)「Reminiscence of Shibuya(追憶の渋谷)」由美・マクドナルド氏著
出典)Yumi's Culture Blog
由美さんは著書の中で、ヘレン・ケラーとハチ公の絆について興味深い逸話を紹介している。
写真:会場を訪れた人と談笑する「由美・マクドナルドさん」
©Japan In-depth編集部
1937年、日本の福祉向上のために初来日したヘレン・ケラーは由美さんの伯母が通う津田塾大学で講演を行う。その際、ヘレン・ケラーは、江戸時代の全盲の学者、塙保己一(はなわ・ほきいち)を手本として努力したことを語り、渋谷にある美術館で塙保己一の銅像に触れることができ、本当に嬉しかったと語ったという。
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