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コマツの新型“8輪装甲車”差戻し

Japan In-depth / 2018年7月31日 23時6分

かつて防衛省のヘリ型UAV、FFRSの政策評価書の事業内容の説明では、「(中略)~NBC(核・生物・化学)攻撃、災害派遣等の多様な事態に有効に対処できる無人偵察機」とあり、事業の目的にも、



「~災害派遣等の多様な事態における適切な指揮活動を実施するためには、所要の映像情報の早期伝達が可能なシステムを保有する必要がある。無人偵察機は悪天候やNBC汚染下でも現場の詳細な情報をリアルタイムで映像にて得ることが可能である」 



としていた。更に事業の達成状況に関しては、システムの構成、偵察能力に関する性能、探知・識別能力に関する性能、標定能力に関する性能、遠隔制御に関する性能に関してこれらを達成していると述べ、「極めて有用性の高い装備である無人偵察機を装備することが可能となった」と、結論づけている。


ところがまさにそのものズバリの東日本大震災でFFRSはただの一回も飛ばなかったことを筆者がスクープした。防衛省が開発事後の政策評価で自画自賛していた装備が、「大規模災害」、「放射能汚染」という、まさに想定していた状況そのものズバリの事態で、全く使用されなかったのだ。政策評価自体の正当性が疑われて然るべきだ。


因みに2013年4月25日の衆議院予算委員会第一分科会で、日本維新の会の中丸ひろむ議員の質問に対して徳地秀士防衛政策局長(当時)は、FFRS東日本大震災で使用されなかったことについては、



「平成22年度3月に導入されましたので、震災発生後、当時にはまだ導入1年後ということで、十分な飛行実績もないというようなこともございましたので、こちらにつきましても、二次被害防止という観点で当時は使用をしておりませんでした」 



と、述べている。これまた面妖な話である。FFRSがそうでもFFRSの元となったFFOSは既に導入から長期間が経っていたがこれまた一度も使用されなかった。



▲写真 徳地秀士防衛政策局長 出典:上智大学


FFRSにしても本来開発段階で十分な飛行実験がなされているはずだ。また導入後1カ月ならともかく、1年もあれば配備された部隊は充分ではないにしても、それなりに運用に慣れてきているはずだ。


しかしその後の熊本の震災でもFFRSは一度も使用されず、調達は打ち切りとなっていた。つまり政策評価は虚偽であり、防衛省はその事実を国会答弁ですら突き通そうとしたのだ。これは組織的に納税者とその代表である国会を欺そうとしたということであり、それを当然と思っているということだ。だから今回の政策評価でも同様の「大本営発表」を平然と繰り返したのだ。


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