コマツの新型“8輪装甲車”差戻し
Japan In-depth / 2018年7月31日 23時6分
本来ならば輸入、ライセンス生産も含めて提案を募集し、そこから数を絞ってトライアルを行うべきだ。諸外国ではそのようにしている。またコマツ、三菱重工の両社から募集をするならば、両社に開発予算を出すべきだった。
しかも開発予算と5輌の試作を併せて18億円ではまともな開発ではできない。試作車輌の調達単価が仮に96式装甲車と同じ程度で1億円とするならば、開発費は13億円に過ぎない。その安い開発も、入札で負けたらもらえない。8輪装甲車であれば、既存車輌から開発でも100億円単位の開発費が掛かることも珍しいことではない。
まして金額では条件を満たす装甲車をゼロベースで開発することは不可能であったはずだ。だからコマツは、路外走行能力や防弾能力に問題があるにしても、既存の最新型のNBC偵察車を転用する提案しかできなったのだろう。コマツは被害者であるいってもよい。その「被害者」に責任を押しつけて、「加害者」が無謬を装うのは犯罪的といってもいい。
▲写真 8輪装甲車(改)提供:防衛装備庁
防衛装備庁、陸幕装備部、特に陸幕装備部の計画に問題があった。率直に申し上げて、陸幕装備部、防衛装備庁にはこれでメーカーに違約金を払えというは無理難題にも程がある。
防衛省、自衛隊、特に陸自はこれまで装備開発や調達で失敗、例えば62機だった調達が僅か13機で頓挫した陸自攻撃ヘリAH-64D、250機だった調達34機で終わり、合計3年以上も不具合で全機が飛べない偵察ヘリOH-1、先述の無人ヘリ、FFRSなどいずれも、誰も責任を取ってこなかった。
防衛省、自衛隊の誰に責任があり、開発の意思決定システムのどこに問題があったか明らかにして、関係者に責任を取らせるべきである。また組織として問題点を改善しなければ、また同じ間違いが繰り返されるだろう。
トップ画像:8輪装甲車(改) 提供 防衛装備庁
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