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人質報道はこれでいいのか?

Japan In-depth / 2019年4月12日 18時3分

 


◼️虚偽の報道が日本人を危険にさらす


このような虚偽は、日本人に大変な危険をもたらすことになる。」と安田氏は言う。安田氏は、2004年にイラクで現地の武装組織に拘束されたことがある。スパイ容疑が晴れて3日で解放されたが、日本では当初「人質」として報じられた。「人質」は身代金や政治的目的のために人を拘束することで、スパイと疑われ拘束された安田氏は人質ではない。


「ネットを検索すると、今でも私が「人質」だったという情報が出る。現地の人はそれを見て、過去に私が人質から解放された理由は、日本政府が身代金を支払ったからである。と思いこんだ。根拠のないこういう情報を拡散すると、日本人を拘束すれば金が払われる、と思われて、日本人にとって大変な危険を及ぼす。」と虚偽の報道の恐ろしさを語った。


「一方で『なぜ何度も拘束されるのか』や、『護衛をつけて行かないなんてジャーナリストとして失格だ』という指摘も多々あった。しかし、拘束されるのは、前線にいるからだ。前線に行けばスパイ容疑で拘束されるというのは頻繁にあることで、拘束されないのは前線に行っていないから。また、スパイ容疑をかけられた時に武器を所持していたら、スパイ容疑が晴れることはない。そしてシリアで護衛をつけている人なんて一度も見たことがない。護衛をつければ前線を取材できるのなら、お金がある大手メディアはとっくに取材しているはずでしょ。護衛をつけて守られるのは現地のチンピラに遭遇した時くらいだ。『お前より優秀な人が行くべきだ』とも言われたが、誰も行きたがらない。しかし、もっと上手くやれたという後悔の念はずっとあった。」と、批判に対して応えた。



▲ ©Japan In-depth編集部




また、拘束から解放された帰国の飛行機の中でとある日本のメディアのリポーターから、「『これからどうしますか?』といきなりカメラを向けられた。質問者は「これからも取材に行くのか」という意図だったと後からわかったのだが私は、『(なんの話かわからず)わかりません』と言った。ジャーナリストだから現地で取材をすることは当たり前だから、そんな当たり前の質問だとは思わなかった。(笑)しかし、そこばかりがメディアに使われて、『わからないってなんだよ』とバッシングの嵐だった。


私の場合はまだ、拷問を受けたわけではなかったから良かったが、これが拷問を受けて本当に心身ともにボロボロになって出てきていたら、答えられるわけがない。しかし、日本のメディアだったら、今同じことが起こっても、同じようにするだろう。メディアで作られた映像で、発言が気に入らなかったら徹底的にバッシング。その社会は果たして正しいのだろうか。」と問いかけた。


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