五輪後も景気は腰折れしない
Japan In-depth / 2019年4月16日 18時0分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
「編集長が聞く!」
【まとめ】
・日本経済は底堅い内需に支えられ、緩やかな景気回復が持続。
・オリンピックの反動減はそれほどではない。
・子育て世代が損をしている。職務・スキルにあった賃金設定を。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て見ることができません。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=45210でお読み下さい。】
アベノミクスも7年目に突入した。確かにその間景気は悪くはなかったが、実感という意味では希薄である。はたして、景気は減速しているのか?それともこれから上向くのか?オリンピックが終わり、消費税増税が控える中、多くの国民が抱いている懸念であろう。
今回は、日本総合研究所調査部主任研究員安井洋輔氏に話を聞いた。
■日本経済は足踏み状態
安井氏は、日本経済は足踏み状態だとした。緩やかに成長してきたが、中国経済の減速が日本経済にも響き出し、その結果、鉱工業生産を中心に生産が大きく落ち込んだと分析した。しかし、これは一時的で、中国経済、今「1~3月期」が底でいずれは段々「4~6月期」に持ち直して、段々緩やかな回復基調に戻っていくのではないかと予測した。
▲図:景気に足踏み感 企業 出典:日本総合研究所 日本経済展望
■足踏み感の原因
安井氏は、景気足踏みの原因は輸出にあると見る。
実質輸出の棒グラフを見ると、17年にかけて中国向けの資本財中心に伸びてきていたが、18年から頭打ちになった。2019年1月の輸出大幅減が記憶に新しいが、その影響でどんと落ち、今は力強さに欠けた状態だ。
▲図:実質輸出(季調値) 出典:日本総合研究所 日本経済展望
ではなぜ、足踏み状態かというと、ITバブルの時やリーマンショックとかとは違い、内需が底固く、なかなか腰折れしない状況にあるからだ。背景はすごくシンプルで前年比伸び率で2018年は拡大傾向にある。特に青い箇所は一人あたりの名目賃金だが、はっきりとプラス幅を拡大している。こういったこともあり、所得が高くなれば消費も底固くなるので、消費活動指数がしっかりと増加している。
▲図:名目総雇用所得(前年比) 出典:日本総合研究所 日本経済展望
▲図:鉱工業指数(季調値) 出典:日本総合研究所 日本経済展望
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