嘲笑された日本の小切手外交 集団的自衛権の禁止とは 2
Japan In-depth / 2019年7月3日 10時34分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視 」
【まとめ】
・集団的自衛権は義務ではない。正義や平和の為の戦いをする権利。
・国際平和維持に貢献できぬ自己中心の国のあり方批判され久しい。
・日本は第一次湾岸戦争で国際大義のた為に何もせず、嘲けられた。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=46572でお読みください。】
アメリカのドナルド・トランプ大統領が非難した日米同盟の不平等は、日本が同盟相手のアメリカが攻撃されても、ともには戦えないという状態を指していた。有事に「ともに戦う」というのは集団的自衛権を行使することである。
ここで出発点に戻り、集団的自衛権とはそもそもなんなのかを述べておこう。
ごく簡単にいえば、集団的自衛権とは一国が他の国といっしょになって戦う権利のことである。どの主権国家も独自の集団的自衛権を保有することは自明とされる。国連でもはっきりと各国のその権利を認めている。国連自体が安全保障活動の一環として平和維持活動を実行する際にも、その活動に加わる諸国はみな集団的自衛権を行使することになる。
▲写真 海上自衛隊護衛艦「かが」を視察する日米両首脳(2019年5月28日) 出典:首相官邸 facebook
一つの主権国家が集団的自衛権を行使するのは、共同防衛を誓いあう同盟の相手国が攻撃された場合がまず多い。さらには国連の平和維持活動に加わり、戦闘の危険がある地域に出動すれば、集団的自衛権の行使となる。だから国連の安全保障関連の活動はみな各国の集団的自衛権の行使があってこそ成り立つこととなる。
各主権国家はたとえ自国が攻撃されていなくても、集団的自衛権を行使して、他の国などと戦うことができる。だから集団的自衛権の行使は、国際正義のため、人道主義のため、あるいは自国にとって大切な他国や他国民を支援するため、などの目的によることとなる。
そしてこの集団的自衛権はあくまで権利であって義務ではないことも銘記しておくべきだろう。どの国にとっても集団的自衛権を行使するかどうかは、その国自身が決めることである。たとえ国連から要請されても、他国から求められても、その集団自衛の行動が自国の利益には合致しない、あるいはあまりに危険すぎる、ということであれば、なにもしないという選択肢を選べばよいのだ。一方、どの国もたとえ自国が直接に攻撃されていなくても、この集団的自衛権を使うことができる。
この記事に関連するニュース
-
トランプがグリーンランドに固執すれば、NATOは分裂し戦争になる
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月9日 15時21分
-
中国人が尖閣諸島に押し寄せても防げない…日本固有の領土が3カ国に脅かされている根本原因
プレジデントオンライン / 2025年1月7日 16時15分
-
米抑止力の復活「2025年を占う!」国際情勢
Japan In-depth / 2024年12月30日 14時13分
-
「日本の専守防衛は危険」 ウクライナ戦争の教訓
Japan In-depth / 2024年12月27日 11時0分
-
トランプは「冷戦2.0」に勝てるのか?外交での3つの選択肢
ニューズウィーク日本版 / 2024年12月18日 16時31分
ランキング
-
1過去にもあった大学構内の事件 宮台真司教授襲撃、「悪魔の詩」訳の助教授殺害は未解決
産経ニュース / 2025年1月10日 19時13分
-
2法政大で女子学生がハンマー振り回す=8人けが、傷害容疑で逮捕―「いじめられ、もやもや」・警視庁
時事通信 / 2025年1月10日 22時23分
-
3金閣寺うっすら雪化粧 西日本各地で大雪 交通網乱れ、事故相次ぐ
毎日新聞 / 2025年1月10日 20時33分
-
4日本海側、あす午前中にかけて大雪も 引き続き交通障害などに警戒
日テレNEWS NNN / 2025年1月10日 13時23分
-
5ガールズバーで従業員が多量飲酒し死亡 「酔いつぶれて寝ているだけだと思った」倒れたまま放置していた経営者・客らを書類送検 京都・福知山市
ABCニュース / 2025年1月10日 14時17分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください