プロフェッショナルな医師とは
Japan In-depth / 2019年8月12日 7時0分
上昌広(医療ガバナンス研究所 理事長)
【まとめ】
・ニュルンベルク裁判では医師の職業規範が優先され7人が絞首刑に。
・日本の強制不妊手術では医師の責任問う声はない。
・医師は国家や権力者に媚びず、患者サイドに立って生きるべき。
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夏休み、真っ最中だ。この時期、私どもの研究所は多くのインターンを迎える。今夏、3名の高校生がやってきた。今井傑人君、河野佑太君、浜崎玄人君だ(写真1)。神戸市の灘高に通う1年生だ。筆者は1987年に灘高を卒業しており、35年後輩にあたる。知人を介して連絡を受けた。
3人に進路希望を聞くと、全員が「医学部を受験したい」という。筆者が予想した通りの答えだった。
灘高は医学部に進学する生徒が多いことで知られている。今春の入試では104名が医学部に合格した。うち京都大学医学部に26人、東京大学理科III類に20人だ。
卒業生の約半数が医学部に進む状況は異様だ。灘高の教員も苦々しく思っている人が多い。「私は「医学部には行くな」と指導しています」という教員もいる。
灘高生は優秀だ。優秀な人材が医者にばかりなるのは、我が国にとってデメリットも大きいだろう。
ただ、現状を総合的に勘案すれば、彼らの判断は合理的だと考える。むしろ、もっと医学部に進めばいいと思う。灘高生3人にも医学部に進むように勧めた。
▲写真1 灘高生三人組 左から濱崎玄人君、今井傑人君、河野佑太君 出典:著者提供
なぜ、私が医学部進学を勧めるのか。それは、医師が古典的な意味での「プロフェッショナル」だからだ。
「プロフェッショナル」の語源は”profess”だ。「pro =前」で「fess = 話す」ことだ。中世の欧州では医者・法律家・聖職者は、その職に就く前に神に対して「自らの専門的な技能を用いて、社会(医師の場合は患者)のためにベストを尽くす」と宣誓することが求められた。
いずれの職種も高度で専門的な技能を要し、社会とは情報の非対称が存在する。素人を欺くことは容易だ。「プロフェッショナル」には高度な自己規律が求められる。医師の場合は「ヒポクラテスの誓い」となった。
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