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真夏五輪「暑さ指数」最悪に

Japan In-depth / 2019年11月20日 13時11分

真夏五輪「暑さ指数」最悪に


嶌信彦(ジャーナリスト)


「嶌信彦の鳥・虫・歴史の目」


【まとめ】


・オリンピックの目玉・マラソンの開催地変更に東京は猛反対。


・300億円以上の費用をかけた熱さ対策をIOCは一蹴。


・環境省は2019年の国立競技場「熱中症最悪25日超」と発表。


 


マラソンはオリンピックの花だ。オリンピックの最終日、42.195kmを走り抜いたマラソン選手がゴールの新国立競技場に姿を見せると、観衆は総立ちになって拍手で選手を迎える。特に日本人はマラソンに強く、思い入れが深い。過去にいくつも名勝負があり、忘れ難い選手達も多いからだ。


そのオリンピックを巡って、今回は最後までゴタゴタが続いている。11月に入って20年の東京オリンピックのコースが突然東京から札幌に変わった。東京のコースは新国立競技場をスタートし皇居、東京タワー、銀座、歌舞伎座前、浅草などの名所をまわって再び新国立競技場に戻るという情緒のある道のりだった。それが真夏のオリンピック(20年7月24日~8月9日までの17日間)となると、暑すぎて熱中症などで倒れる選手が出たり、沿道の観客も見物には酷だという声が強まったからだ。


その結果、IOC(国際オリンピック委員会)と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(会長・森喜朗元首相)とJOC(日本オリンピック委員会)が「東京はダメ、東京より温度が低い札幌の方が適当」と方針を変えたのである。


むろん主催地である東京(小池百合子都知事)は猛反対した。オリンピックの目玉であるマラソンを別の都市で開くとなるとマラソンのコースの沿道になるはずだった東京の街や商店街は、いきなり目玉イベントを持ち去られることになるためだ。その結果、IOC、組織委員会、JOC、東京都で調整委員会を開くことになったものの、「調整委員会が決定できない場合はIOCが最終判断を下す」という原則があった。



▲写真 6月23日オリンピックデーの写真 出典:小池百合子Facebook


東京都は暑さ対策として午前5時スタート、日陰の多いコースを選ぶ。走行中にミスト(霧)を多用する。道路の熱を下げる遮熱舗装を行なう――など300億円以上の費用をかけた提案をしたが、IOCの通告に近い形で一蹴されてしまった。結局、小池知事は「あまりにも唐突で、不誠実。あえて申し上げるなら、これは合意なき決定だ」と開催都市を見下しているようだと不満をもらした。特にIOCが最終判断してからすぐに東京都に伝えず、3-4日の間があり、発表前日になって東京都に伝達したことに憤りを感じたようだ。


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