沢尻エリカさんに社会はどう対応すべきか
Japan In-depth / 2019年11月24日 15時14分
田中紀子(ギャンブル依存症問題を考える会代表)
【まとめ】
・合成麻薬MDMAを所持したとして、女優沢尻エリカさん、逮捕。
・沢尻さんには、診断と治療を受け、自助グループに通う事を勧める。
・沢尻さんの再起を応援する社会になり、沢山の支援の手が届くことを願う。
合成麻薬MDMAを所持したとして、警視庁組織犯罪対策5課に逮捕された女優沢尻エリカさんだが、今後社会や周囲の人はどう対応すべきか?依存症支援に関わるものの一人として考えてみたので参考になれば幸いである。
まず、現在報道されている範囲で、沢尻エリカさんの薬物問題を推測してみると、沢尻さんは10年以上前から、違法薬物である、MDMA、コカイン、大麻、LSDを使っていたと供述している。
この報道から「常習性が高い」との声も上がっているが、彼女が依存症かどうかはまだわからない。
高知東生さんも裁判で正直に10代からの薬物使用を告白され、ピエール瀧さんも20代からの薬物使用を認めているが、お二人の主治医である、国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦先生は、お二人とも使用歴は長くとも依存症までいっていない、もしくは軽症とおっしゃっている。
▲画像 出典:Japan In-depthチャンネル「薬物問題を知ろう」より
・高知東生さんYoutube「たかりこチャンネル」の中で、松本先生がゲスト出演された際の発言
https://www.youtube.com/watch?v=HgsKsDOLhk0
・ピエール瀧さんの裁判で情状証人として松本先生が出廷した際の記事
https://www.sanspo.com/geino/news/20190606/sca19060605010004-n1.html
依存症になるかどうかは、単純に使用期間に比例して決まるものではなく、使用量やその人の置かれた状況、そして薬物使用に至った背景、体質などでも大きく影響してくる。薬物依存症になる人は、ストレスや、一人で抱え込んでしまう癖や、人間関係での悩み、また自分の仕事ぶりに対し満足感がない、忙しすぎるなど、メンタルの様々な問題に対し、薬物で解消したときの快感が大きい人の方がなりやすく、そのため社会で孤立している人、トラウマを抱えていたり、幼い頃から虐待などの逆境にあったり、辛い状況に置かれた経験のある人ほど重症化しやすいと言われている。
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