警察の暴力、日仏で違う意見
Japan In-depth / 2020年6月22日 11時42分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・米同様、仏でも「警官の暴力」に対するデモ発生。
・米の警官発砲に対し、日仏で意見に違い。
・各国の文化・歴史ベースに即した判断基準の尊重を。
米国で起きた白人警官による黒人男性暴行死事件を受けて、デモがアメリカ、フランスを中心に起きているが、アメリカは歴史的背景もあり、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)」がメインのスローガンにかかげられることが多い。
それに対して、フランスは、黒人以外の人種に対する差別も多く「人種差別」全体が対象になっており多少の違いがあるものの、両国で共通していることがある。それは、「警官の暴力」に対してもデモが行われていることだ。それほどまでに、アメリカやフランスでは、警官の暴力が多く問題になっているのだ。
そんな中、アメリカ南部ジョージア州アトランタ市で12日夜、黒人男性のレイシャード・ブルックスさんが警官ともみ合いになった末に背後から撃たれて死亡する事件が起こった。抗議の発端になったジョージ・フロイドさんの事件から3週間もたたないうちに起きたこの事件は、全米で続く騒乱と警察の暴力に対する抗議の嵐をさらに増幅させる結果になったのだ。そして、アトランタのニュースはそのままフランスにも伝えられ、フランスでもさらに警察官の在りに対して考えさせられることになった。
▲写真 ジョージフロイド氏を悼んで 出典:Flickr; Lorie Shaull
しかし、そんな中、ふと、日本のいくつかのSNSを見たところ、なんと日本では、「犯人が射殺されるのが当然だろう」との意見が大半を占めていて、そのことに大きな衝撃を受けた。SNS内では過激な論調が目立つためフランス語圏のSNSでもそういった意見はもちろん出ているのだが、ここまで大半が「警官が被害者を射殺」したことを肯定している現象はおきてない。
フランスの最初のニュースでは、「車の中で寝ていただけなのに、最後は射殺で終わった」と伝られていたが、こういった内容を見ていたフランス人は警官が悪かったと認識している人が多い。実際、何人かに感想を聞いてみたところ、誰しもが「悪いのは警察だろう」という口々にいうのだ。
なぜ、同じ動画を見ているはずなのに、日本のSNSではここまで意見が違うのだろうか?「環境の差」や「文化の差」などの違いがあるのだろうか?アメリカの意見も細かい点ではフランスとは違うと思うが、フランスと日本を比べたほどの差はないように感じる。そこで、今回、ツイッターでいろいろな人の意見を聞いてこの違いがどこからくるのかを考察してみることにした。
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