仏で女性の服装巡り論争勃発
Japan In-depth / 2020年9月20日 23時7分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・オルセー、胸元開いた服を着た女性の入館拒否。
・オルセーはツイッターで彼女に謝罪。
・女性が好きな服を着る権利を守る必要あり。
9月9日、フランス、パリにあるオルセー美術館に、一人の女性が胸元が開いたワンピースを着て美術館に入ろうとしたところ、職員らから入場を拒否され、そのことが大きな物議を醸しています。
オルセー美術館の規則として「公をみだす服装」が禁止されていますが、女性の服装はその規則にそぐわなかったというのです。そのため、気温が高かったにもかかわらず上着を着なければ入場を認めないと女性職員二人に警告されました。
しかし、美術館に入ってみれば、確かに、彼女よりも細くて胸は小さいけれども、タンクトップ姿の女性がたくさんおり、自分だけが規則に反しているとは思えなかったそうです。そこでその日着ていた服装の写真と共にその日起こったことを詳細に書いてツイッターに投稿しました。
そうしたところ、この投稿は多くの人から支持を得て広く拡散。2万4千回リツーイトされ、4万1000件のいいね!が押され、オルセー美術館への批判が沸きおこり、最終的には、その日のうちにオルセー美術館がツイッターで彼女に謝罪するに至ったのです。
▲写真 オルセー美術館 出典:@pixinnb (Photo by Christophe Meneboeuf)
SNS上では、過去にも拒否された女性たちも名乗りをあげましたが、その女性たちと比べても明らかに今回の件は美術館に入るために適切な服装をしており、女性のふくよかな胸の谷間が見えることを「公をみだす服装」とするのには無理がありそうな状況でした。それでなくても、フランスは「女性の体に関してはその自由を尊重する国」としてきた歴史がある国です。
■ フランスで抑制されてきた女性の服装
フランスは長い間カトリックや家長制度の影響により、女性の服装は男性の目線で著しく制限されてきました。女性がみだらな服装をしていけないのはもちろんでしたが、1800年11月17日には、なんと「女性は公共の場でズボンをはいてはいけない」という条例が設定され、驚くことに、その条例は、(もちろん守られていませんでしたが)2013年1月31日に廃止になるまで存在していたのです。このように、フランスには、女性の服装が男性が作った規則で制限される時代があったのです。
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