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東京転出増?一極集中の解決を【菅政権に問う】その6

Japan In-depth / 2020年12月1日 11時0分

東京転出増?一極集中の解決を【菅政権に問う】その6




西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)





【まとめ】





・東京都は4カ月連続で転出超過だが、東京圏では転入超過。





・23区は転出超過も市町村が転入超過。都全体の転出超過幅は減。





・コロナですぐに変化は起きず。一極集中解決の必要は変わらず。









東京からの転入超過が止まったのか?





総務省の住民基本台帳人口移動報告では、10月の東京都の転出者数は3万908人と前年同月と比較して10%増加、転入者数は2万8193人と前年同月と比較して7.8%減少となった。そして大事なのは4カ月連続で転出者の方が多い転出超過になり、2715人の転出超過となったことだ。これはコロナの影響による転居関連が大きいのだろうといわれている。





▲図1 東京都の転出者数・転入者数 出典:総務省データより筆者作成



しかし、スコープを広げてみるとどうなのだろう。驚くことに「東京圏」で見ると転出超過ではないのだ。





□東京圏はなんと転入超過!





名古屋圏、大阪圏は転出超過なのにも関わらず、東京圏は違うのだ。





▲表1 3大都市圏別転出者数・転入者数 (※注 東京圏-東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県/名古屋圏-愛知県、岐阜県、三重県/大阪圏-大阪府、兵庫県、京都府、奈良県) 出典:総務省データ



2020年(令和2年)10月は転入者数が2万8141人、転出者数が2万7023人と、1118人の転入超過である。日本人に限っても、転入者数が2万5802人、転出者数が2万4968人と834人の転入超過である。昨年度の同時期と比較すると転入超過数が4分の1になっていることは確かだが、東京圏で見るとまだまだ「転入超過」なのだ。





□内訳は?23区とそれ以外でも顕著な傾向が





内訳を見てみよう。東京都市圏も東京都市圏、政令市があり、それ以外もあるので整理してみた。





▲表2 東京圏別転出者数・転入者数 出典:総務省データより筆者作成



転出超過は、東京都特別区部の4525人、川崎市の525人くらいなのだ。千葉市、横浜市などは転入超過である。





中でも注目は東京である。東京都特別区部は転入者数が10.6%減少、転出者数が13.8%増加、他方、東京都の市町村は転入者数が17.0%増加、転出者数が24.5%減少と対照的な動きを見せている。とはいえ注意いただきたいのは、特別区部の転出超過数は4525人であり、東京都の市町村の転入超過数は1810人と比較して多いことである。





▲図2 東京都の転出者数・転入者数(内訳) 出典:総務省データより筆者作成



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