官庁の情報開示は途上国以下~記者クラブの弊害~
Japan In-depth / 2020年12月17日 23時39分
その原因は当局と記者クラブ癒着による情報の秘匿化と独占化である。メディアによる権力の監視が行われていればこのような独裁国レベルの情報開示が許されるはずがない。記者クラブは事実上国民の知る権利から当局を守る防波堤の役割を果たしている。その「閉鎖空間」での記者クラブメディアの歪んだスクープ合戦では国民の知る権利は担保されない。
「対権力取材 本当の問題点は何か 報道現場の最前線からの考察」というワークショップの報告書が公開されている。これは記者クラブの記者の独善的な考え方がよく表れている。
154 マス・コミュニケーション研究 No.93 2018
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mscom/93/0/93_153/_pdf/-char/ja
司 会 者:高田 昌幸(東京都市大学)
問題提起者:石井 暁(共同通信社)
>司会の高田氏は冒頭、「高まる一方の“取材力の劣化批判”はネット時代の特質。記者会見の全容が動画で配信されるなど、それまでは市民にブラックボックスだった“取材プロセス”の可視化が進んだことが大きい。その事実と取材力そのものの劣化は区別して議論すべきだ」との見解を示し、問題提起者につないだ。
高田氏は元々北海道新聞の記者である。彼は取材力の劣化というが、ひたすら当局と癒着して「書かない恩を売る」記者クラブの取材力はもともと低い。
>それまでは市民にブラックボックスだった“取材プロセス”の可視化が進んだことが大きい。
取材プロセスがブラックボックス化してきたのは、先述のように記者クラブが原因だ。そのような自覚がないのが記者クラブ記者の感覚だ。可視化が進んだといっても記者クラブの記者は大臣が返答に困るような質問をせず大臣に恥をかかせないような配慮をする。
昨今では事前に質問を提出し、事務方が回答を書いた「筋書きある記者会見」も増えている。まさに、「劇団記者クラブ」と当局による小芝居でしかない。大臣会見は単なるセレモニーで、その直後のオフレコの囲み取材こそが記者クラブの記者たちの「大臣会見」だ。
>石井氏は(中略)①「庁舎管理権」を名目に内部管理が強まり、以前は可能だった昼間の各部屋の入室・幹部との個別接触が全くできなくなった、
②以前は慣習的に可能だった自宅を訪問しての幹部取材も大半は拒絶される、
③内情を追及する取材では「それは秘密保護法の特別秘密に触れる」として回答を拒否されるケースが増えている
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