官庁の情報開示は途上国以下~記者クラブの弊害~
Japan In-depth / 2020年12月17日 23時39分
>取材側の状況として④人的・経費的リソースが減り、調査報道にリソースを割くことが困難になっている、⑤通信社に限らず各社が「ネット対応」を強化し、その流れの中で、例えば公式会見の質疑は本社へすぐ伝達する必要に迫られている
4 記者クラブが護送船団方式で、横並びでリリースに何の疑問を感じないで、「広報」記事を書いているから、部数や視聴率が落ちているのだろう。例えば防衛費は事実上翌年の防衛費と当年の補正予算が一体化している。
本来来年度の本予算で調達すべき装備などを補正予算に潜り込ませている。補正予算は編成時に想定しなかった支出に対応するべきもので、このような使い方は邪道である。このため実質的に防衛予算はとっくに6兆円近くになっているが、記者クラブメディアはそれを指摘もしない。
これでは政府広報と大差なく、官の側が出した資料を元に横並びの報道ばかりだから新聞が売れない、視聴率が下がるのは当たり前の話だ。
だから取材に記者をさけない。そしてその負のスパイラルに陥っている。そして記者の質が劣化している。記者会見で殆どの記者はカタカタとラップトップで問答を書き起こしているだけだ。そんなことは当番制で書き起こし担当を決めるか、書き起こしの担当者を雇って、その分取材すべきだ。そもそも大臣会見の書き起こしは防衛省がホームページで公開して誰でも見ることができる。記者が足りないといって、こんな人的リソースの無駄使いをしているのが記者クラブだ。
5 記者クラブは悪名高い「発表ジャーナリズム」である。当局の主張をそのまま流すのが仕事の主流であり、諸外国からはまともなジャーナリズムと認識されていない。防衛省の記者会見でも幕僚長会見では質問もせずにビデオを回すことが仕事になっている記者が多い。「本業」ほったらかして即応性もないだろう。
解消法は簡単だ。ネット関連の報道機関やジャーナリストを会見に入れて、自分たちは本業に専念すればいいだけの話である。だが、そうなると自分たちの癒着の利権を手放すことになるからできないだけの話である。「すべてを欲する者はすべてを失う」という言葉の通りになるだろう。
そもそも記者クラブの記者は軍事が専門でもないし、会社の辞令で役所に配属されるだけだ。つまり防衛省記者会の記者は単に「防衛省という役所の担当記者」に過ぎない。専門的な好奇心があるわけでもない。防衛記者クラブの記者たちの多くは外国の軍事専門誌すら購読していないものが殆どだ。
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