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官庁の情報開示は途上国以下~記者クラブの弊害~

Japan In-depth / 2020年12月17日 23時39分

記者クラブの会費で図書を購入しているが海外の専門誌はない。日本の専門誌は購読されているが、これらは諸外国ではマニア誌カテゴリ-に入るもので専門誌とは認識されていない。





ましてや世界で軍事の現状を取材しているわけでもない。そして概ね数年で配置替えして同じような「素人」記者が配置される。そして専門記者を取材機会から追い出しているので、専門記者と交流して情報を得る機会も少ない。だから軍事的にトンチンカンな記事を書く記者が多い。





その証拠に防衛省で守屋事務次官のスキャンダルなど装備絡みのスキャンダルが起きると、必ず筆者の元に記者クラブメディアの記者が押しかけてくる。無論我々専門記者と一般を対象とする新聞・テレビの報道のありようが同じではない。それは当然だ。だが軍事に関する最低限の知識や見識は必要だ。





実は防衛省や自衛隊自体が軍事の常識から外れている。筆者は諸外国の軍隊や防衛産業の人間と拙い英語で会話しても理解し合えるが、防衛省や自衛隊の人間と話をしていると意思の疎通ができないことが少なくない。故竹村健一氏ではないが「防衛省、自衛隊の常識は世界と軍隊の非常識」なのだ。





国内の防衛省や自衛隊の関係者、それと在日米軍とだけ接触していると、バイアスがかかった軍事知識をもってしまう。これは防衛省からの説明をソースにしている日本の政治家も同じだ。これではいくら長年防衛省を担当していても当然軍事の常識が身につかない。





本来多様な媒体やフリーランスが記者クラブ同様のアクセス権をもって取材ができれば、記者クラブメディアの記者も彼らとの交流によって知見が広がるだろう。またより多方面からの視点で権力の監視が可能となる。





だが、それをやると防衛省の情報を抱え込めないので、できないだろう。報道の自由、国民の知る権利よりも記者クラブの利権ファーストなのだ。





これはカトリックに酷似している。かつてカトリックでは聖書はラテン語で書かれており、ラテン語を理解するカトリックの聖職者でないと読めなかった。つまりカトリックは聖書の情報を独占することによって、権力と経済的な利益を貪っていたのだ。それが教会の権力の源泉だった。対してプロテスタントはローカルな言語に翻訳して一般民衆でも聖書が読めるようにした。まさに取材機会と情報の独占で利権を得てきた記者クラブの構造はこれと同じだ。





>石井氏は概ね、「リソースの縮減によって、『出来事の流れを追う政治部、批判的に取材する社会部』という従来のすみ分け機能は失われている。権力側に密着する政治部的取材は限界ではないか」と指摘。





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