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防衛省秘密主義、元凶は記者クラブ

Japan In-depth / 2021年5月24日 13時7分

だからかつての守屋事務次官や陸自の次期多用途ヘリなどのスキャンダルが起こると各社がこぞって筆者ら、専門記者のところに話を聞きにくる。しかも社会部と政治部が別々に動いている。新聞やテレビの記者は縦割りなので他の部との協力を嫌う。だから防衛スキャンダルがあっても政治部、社会部、経済部などが協力して取材チームを編成することは殆どない。普段自分たちが批判している役所の縦割りと同じだ。





非記者クラブ会員のメディアやフリーランスが差別を受けているのは記者会見だけではない。防衛省や自衛隊の行うレクチャー、勉強会、視察旅行、懇親会など各種の取材機会が防衛記者会に独占されている。筆者は外国誌の記者の立場で記者会見には参加できるが、これらの取材機会の多くからは排除されている。軍事雑誌などで書いている専門のフリーランスの記者やライターも同様だ。このため軍事雑誌にしても防衛省、自衛隊の情報は実は少ない。だから不正確な記述が起きやすい。これが米国や英国だったらもっと取材機会も公開情報も多いのでメディアも書くことも増え、精度も増すだろう。





菅総理大臣は第二次安倍政権の官房長官時代の2015年9月3日、中国が産経新聞の矢板明夫記者に取材証が発行されていないことについて「記者の扱いは平等に行うことは民主国家として当然だ」と批判した。だが同じ差別は我が国でも恒常的に行われている。それは菅政権になっても変わりはない。我が国の報道の自由は中国並である。





記者クラブ制度は「白人」である記者クラブ会員が特権を有して、「有色人種」である他の媒体やフリーランスを排除、差別しているアパルトヘイトと同じシステムだ。このようなシステムをとっている民主国家はない。防衛省、自衛隊は「記者クラブ」が国民の知る権利から当局を守る防波堤の役割を果たしているのだ。





このため他の民主国家では当然公開している情報を「敵に手の内は晒さない」と拒否をしている。そのような「寝言」が平然と通るのが「普通」となっている。防衛省や自衛隊の言う「敵」とは、納税者とその代表である政治家ではないのか。 





情報開示こそが文民統制の基幹である。その上に文民による「軍隊」の予算と人事の管理があってこそ文民統制が機能している。繰り返すが、我が国はこの意味では文民統制が不十分であり、民主国家としては落第レベルであり、北朝鮮や中国により近い。





トップ写真:記者会見に臨む岸防衛相 出典:防衛省ホームページ




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