「ポスト菅 期待に応えたい」自民党下村博文政調会長
Japan In-depth / 2021年6月11日 17時18分
安倍: オリパラについての政府のこれまでの情報発信が弱かったようにも思える。より積極的に情報を発信していけば国民もより安心するだろう。
下村氏: そうですね。そういったメッセージはより積極的に出していくべきだと私も思います。
■ 今後のワクチン行政について
安倍: 今後感染症という人類最大の敵に対して、中長期的にワクチン戦略を組んでいかなければならない。これまでの日本のワクチン行政が万全ではなかったとの指摘がある中で、国を上げての感染症対策についてはどうお考えか。
下村氏: まず日本の国内ワクチンが遅れていることについてですが、他の国はSASやMERSの流行をきっかけに、バイオテロや戦争を想定してワクチン開発に力を入れていた部分があります。他国は、コロナ前から国家の危機管理としてワクチン開発を進めていたということです。
一方で日本では、基本的に国家危機としてのバイオテロというのを想定していませんでした。また、日本国憲法に有事対応としての緊急事態条項が入っておらず、常に平時対応になってしまうことも大きいと思います。今回のコロナは明らかに有事ですが、平時対応で考えるとワクチン開発には7~8年は当然かかってしまいます。だからこういう時には、平時のワクチン開発じゃなくて有事のワクチン開発を考えなければならないと思います。
国内のワクチンや医療薬については、既に国がAMED( 国立研究開発法人日本医療研究開発機構)という機関を通じて、700億円くらいは支援をしています。やはり諸外国に比べると桁違いに研究開発に向ける予算が少ないですから、それを大幅に増やしていくことが必要だと思います。
ワクチン開発の遅れの原因としては、厚労省のトラウマも挙げられます。薬害エイズ問題や、子宮けい癌ワクチンなどの訴訟に負けてきたことから、ワクチンの認証には元々かなり慎重になっていました。
また、これからワクチン開発をしたとしても、第三相治験で開発したワクチンと偽薬を何千人という方に実際に投与して効果を検証する必要があります。既に国内のワクチン接種がある程度進みつつある中で、リスクを感じながら何千人という方々に治験に協力いただくのは難しいところがあると思います。そこで党から、WHOと連携してアジア地域の臨床研究と治験のネットワークを築き他の国にも治験協力をしてもらうことによって、一気に何千人という規模で国産ワクチンの効果を調べていくという体制の構築を政府に提案しました。まさに有事のワクチン認証です。こういう形で、できるだけ早く今までにないスキームでワクチンの承認を進めていくという考えです。
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