総裁選「追加経済対策や党公約のたたき台作るのが私の責務」自民党下村博文政調会長
Japan In-depth / 2021年9月10日 16時55分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(油井彩姫)
「編集長が聞く!」
【まとめ】
・下村博文政調会長、最終的に総裁選出馬を断念。
・追加経済対策や、衆院選に向けた党の公約などの「たたき台」を作成することが私の責務。
・GDW(国内総充実度・幸福度)を引き上げることが重要だ。
菅総理が突然不出馬を表明し自民党総裁選も混とんとしてきた。自民党の下村博文政調会長は、菅首相から、総裁選に立候補するなら、政調会長の役は辞するように言われ、立候補を取りやめた経緯がある。その直後、菅首相は総裁選出馬を断念、辞任を表明した。下村氏は総裁選出馬を断念したが、決断に至るまでの経緯を聞いた。(インタビューは9月7日に実施)
安倍: まずは菅首相の1年をどう評価しているか?
下村氏: やはりコロナ対応だ。どの国においてもそうだが、まさに未知への対応であるから、誰がやっても大変。コロナそのものが、デルタ株など、どんどん変異してきて、今のようにデルタ株で感染状況がさらに大きくなることは予想できなかった。まだこれも収束しているわけではない中で、国民からすると後手後手と言われても、予測がつかない中での対応だった。
また今は医療ひっ迫が深刻だ。これをある程度予想し、1月の段階でその時のピークの時の2倍の医療体制、ベッド数も含め、確保するように厚労省から都道府県に対して要請をして、実際東京都などは去年の暮れまでは3000床を用意していたのを、6000床ちょっとまで用意した。倍にするから大丈夫だろうという国の予想だったが、倍どころか10倍近く感染者が増えてきて、結果的に医療ひっ迫になっている。これは、菅総理でなくても、誰も読めないことだった。
あとは、国のトップリーダーとしての、国民に対する説明、国民に対する安心を自らの言葉でリーダーシップをとって語るのが足りなかった。内閣支持率が上がらない中で今回このまま衆議院選挙に突入すれば、自民党は相当議席を減らしてしまうのではないか、という危機感の中で、(総裁選は)フルスペックで戦うとまずは決めた。その中で、菅総理が総裁選挙直前に降りるとは全く予想していなかった。
安倍: 下村氏は早めに手を挙げたが、菅首相から立場上控えたほうがいいと言われた。一旦総裁選は辞退するという話だったが、今後はどうするのか?
下村氏: 8月30日先週月曜日、菅総理から呼び出され、追加経済対策について党にお願いしたいが、政調会長の下村氏が総裁選に出るのならばそれをお願いするわけにいかない、ということで、総裁選に出るのなら政調会長は続けられないだろうという判断をされた。
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