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総裁選「追加経済対策や党公約のたたき台作るのが私の責務」自民党下村博文政調会長

Japan In-depth / 2021年9月10日 16時55分

台湾の問題は、日本の問題でもある。中国が現状変更していくことに対して、それは許さないと、日本と同じ価値観を有する、自由、民主主義、法の支配、基本的人権、そういう国々が連携して、中国の膨張政策を許さない、だけでなく、日本も独自に、許さないという防衛力を、より精度の高い対応をすることによって、諸外国からちょっかいを出されないような、そういう体制を作っていくことが、本当の意味での日本の平和を守るということ。





安倍: 下村氏が力を入れてきた人材育成、教育問題。すべてそこに回帰する。今回、デジタル庁に民間から3分の1くらい入れて発足したが、全ての省庁で民間の力をもっと入れていく、もしくは優秀な官僚が外に出ていく、もっと人が交流できるようにしていったほうがより活性化するし、IOT化、AI、産業の育成は進んでいく。それが遅々として進まない。隔靴掻痒の感があるのではないか。





下村氏: 特に日本は少子高齢化の中で人口が減っていく。GDPは世界で3番目かもしれないが、GDW(国民ウェルビーング、国民総充実度、幸福度)、一人一人の幸福度は世界で56番目。こんなに一生懸命頑張っているのにもかかわらずなぜ56番目なのかと考えたときに、基本的にこの国における教育なり、一人一人が自己肯定感があって居場所があって、その人の持っている能力を充分に社会が活用するようなそのシステムができていない。格差の中で、チャンス・可能性は親の経済的な豊かさで違いがある。





私自身、9歳の時(親が)交通事故で亡くなっていて、奨学金で高校・大学と進学することができたが、今は、ひとり親家庭は56%が貧困家庭だ。3組に1組が離婚。ひとり親家庭の割合が3分の1くらい。死別だけでなく生別も含めて6割が貧困家庭で、本当に大学まで行けるのかというと、相当大変。結果的には親の経済力が子供の教育に影響して、日本において子供にチャンス・可能性が閉ざされるような状況であってはならない。教育についてできるだけ無償化して、どんな家庭の子どもであっても、あるいはいくつになってももう一度学びなおしができるようにしなければならない。





9月の1日からデジタル庁が設置されたが、相当な人材育成をしていかないと日本のデジタル化の中で人手不足で間に合わない。育成していくためには、新たな教育が必要。それをもう一度専門学校や大学等で学びなおしをする。しかし仕事を辞めてまでも学びなおしをするというのは本人にとってもリスクがあるし、それだけでは食べていけないから、働きながらでも学べて、なおかつ生活もできるようにしなければ。今までのような個人の努力のみならず、社会全体で学びなおしができる、チャンス・可能性を経済的にはバックアップしながら、その人の持っている時代の変化に対応できるような能力。その一つがデジタル能力だと思うが、それをどんどん背中を押していく社会を作っていかなくては、日本は衰退し、お金持ちのごく一部の子どもたちにはチャンスはあるが、そのほかの人は夢も希望もない。そういう社会にこのままだとなっていく。それをどうしても変えていく必要がある。





個人の意欲や努力のみでは無理。社会全体で。30代以上の人でも、本当に学びたい人には無償で、なおかつそれができるだけ仕事と両立できる形で提供するということをして、本人の努力であとは頑張ってくださいということでは取り残される。





(インタビューは9月7日に実施)





トップ写真:ⓒJapan In-depth編集部




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