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新しい年の日本の国難、そして皇室 その2 アメリカが考えた日本の皇室

Japan In-depth / 2022年1月14日 12時13分

新しい年の日本の国難、そして皇室 その2 アメリカが考えた日本の皇室




古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)





「古森義久の内外透視」





【まとめ】





・いまある皇室制度が第二次世界大戦後、戦勝国アメリカの意を体した占領米軍によって形づくられた歴史も否定できない。





・GHQの民政局次長チャールズ・ケーディス氏が日本国憲法の草案を書いた。





・GHQが幣原喜重郎内閣の憲法草案に反発したため、独自の憲法草案の作成を急いだからだ。





 





皇室のあり方を決める主体はあくまで日本国民である。主権在民の国家の根幹をみれば明白だと言えよう。





その際にまず基準となるのは皇室の歴史であり、伝統だろう。2千数百年もの歴史を有する日本の皇室がどんな制度や地位を占めてきたのか。日本の皇室には世界に冠たる悠久の流れがある。





今の論議で皇室の2千数百年もの歴史にまで遡っての国民的な考察がなされることも不自然ではない。日本が近代国家として出発した明治時代からの皇室制度のあり様を検証することも、いまの令和時代の皇室論議には有益だろう。





しかしその一方、いまある皇室制度が第二次世界大戦での敗北後の日本で戦勝国アメリカの意を体した占領米軍によって形づくられたという歴史も否定できない。その冷厳な事実もこの際、想起しなければならないと思う。





いま現在、私たちの目前にある天皇陛下を頂点とする皇室のあり方は、その占領米軍が作った日本国憲法によって形成されたのである。しかもそれまでの長い歳月の天皇のあり方を根幹から変える改造の手が戦勝国によって加えられたのだ。皇室に関して日本古来の伝統だとばかりに見えた特徴が実は占領米軍による加工の結果だったという側面もあるのである。





この事実は日本国民が皇室のこれからのあり方を考える上で、無視も軽視もできない。日本古来の歴史や伝統や慣習の成果がいまの皇室ではないのだ。





70数年前に外国の発想が大きく導入されて日本の皇室は生まれ変わったのだ。だからこれから日本独自の思想が特に重要となるべきだろう。





日本の皇室のあり方は日本国憲法の第1章の合計8条の記述で規定されている。





《第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。》





こんな書き出しである。





ところが私はその憲法を書いたアメリカ人の法律家から以下のような言葉を直接に聞いたのだった。





「天皇を『国の象徴』とか『国民統合の象徴』とする表現は実は私たちがふっと考えて、作り出したものなのです」





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