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中国共産党、“異様”な中央政治局会議開催

Japan In-depth / 2022年6月21日 12時0分

中国共産党、“異様”な中央政治局会議開催


澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)





【まとめ】


・習近平主席が中央政治局会議を『前倒し』で開催。評論家は「異常なこと」と指摘。


・異例なことに政治局委員の4割近くが欠席。そのほとんどは習主席の側近。


・習主席が突如、四川省訪問。目的は軍幹部訪問か。政治局会議“前倒し”は、自らの政治生命が絶たれるとの危機感からか。


 


 


 


最近の『人民日報』(a)によれば、中国共産党中央委員会政治局は、今年6月17日午前中に政治局会議を開き、午後には第40回集団学習会を開催したという。


『万維読報』(2022年6月18日付)に「習近平主席が中央政治局会議を『前倒し』で開催、再び異常なシグナルが現れる」という刮目すべき記事が掲載(b)されたので、取り上げたい。大雑把な拙訳は次の通りである。


通例では、6月末に開催される予定だった政治局会議が、突然“前倒し”された。そして、その会議に18人中7人の政治局委員が欠席している。


他方、習主席の権力闘争手段と見なされる「反腐敗」運動が、新たなシグナルを送っているようだ(ちなみに、「CCTV中文国際」が今度の政治局会議について報じている)。


海外の評論家、江森哲は、まず、政治局会議が“前倒し”されたのは異常なことだと指摘する。


次に、政治局委員の4割近くの欠席者が出ているのも異例だという。外交トップの楊潔篪、孫春蘭・副首相のほか、軍事委員会副主席の許其亮、張又侠、北京市、上海市、天津市(いずれも中央直轄市)のトップ、蔡奇、李強、李鴻忠等の重要人物が欠席した。


この重要な時期に、2人の軍事委員会副主席が会議に出席しなかったのは、何か意味があるのかもしれない。しかも、今回欠席した高官のほとんどは、習近平主席の側近である。



写真)許其亮・軍事委員会副主席(2018年3月18日 北京)。許氏も“前倒し”中央政治局会議を欠席した。


出典)Photo by Etienne Oliveau/Getty Images


他方、習主席は、集団学習会で「経済腐敗」だけを言及し、「政治腐敗」は一切言及しなかった(訳者注―「経済腐敗」は、ごく最近登場した罪名で、李克強首相の“十八番”かもしれない)。この点も注目に値しよう。


公式メディアによれば、習近平主席は腐敗に対する党内闘争の本質を強調し、「負けるわけにはいかない大政治闘争」だと述べた。また、習主席は指導的幹部、特に上級幹部に向けて「自分だけでなく、家族や親族、周囲の人たちもしっかり管理する」よう求めた。


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