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中国が米に続き軍事演習、南シナ海

Japan In-depth / 2022年7月23日 23時0分

中国が米に続き軍事演習、南シナ海




大塚智彦(フリージャーナリスト)





「大塚智彦の東南アジア万華鏡」





【まとめ】





・中国海軍が南シナ海で軍事演習を実施し、その背景には南シナ海へのコミットメントを主張する狙いがあると見られている。





・これまでも、南シナ海などで米軍が演習を行う度に中国海軍は軍事演習を実施した。





・フィリピンは領有権に関して中国に対し強硬姿勢を採っており、今回の演習は同国へアピールする目的もあったと考えられる。





 




中国海軍が南シナ海で軍事演習を実施した。これは米海軍の空母を含む艦艇が同海域での演習を終えたばかりの演習で、米側に南シナ海の海洋権益に対する中国のコミットメントを強く主張する狙いがあるとみられている。


中国の海南海事局は7月15日に航行警報を出し、16日から20日にかけて南シナ海で中国海軍による軍事演習が行われるとして一般商用艦艇や漁船に対して航行上の注意を呼びかけた。それによると演習海域として海南島の東方の南シナ海約10万平方キロの海域を指定しているが、これには領有権争いがあるベトナムのダナンの東約350キロも含まれている。


中国は南シナ海の東沙諸島や南沙諸島を含む大半の海域を一方的に中国の海洋権益が及び海域として「九段線」を設定し、周辺の台湾、フィリピン、ベトナム、ブルネイ、マレーシアなどと島嶼や環礁を巡って領有権争いを起こしている。


インドネシアと中国の間には領有権争いはないものの、南シナ海の南端に位置するインドネシア領ナツナ諸島の排他的経済水域(EEZ)が中国の「九段線」と重なると中国は主張している。


中国はインドネシアとの「2国間」で調整、解決したいとしているが、インドネシア側は「その問題で中国と会談することはない」(ルトノ・マルスディ外相)と反発しているという事情がある。


■米海軍の演習の直後







▲写真 フィリピン沖に展開する空母ロナルド・レーガン(右)2016年6月18日 出典:Photo by Specialist 3rd Class Jake Greenberg/U.S. Navy via Getty Images


この時期に中国海軍が演習を実施するのは米海軍が直前の7月13日から同じ南シナ海で演習を実施したことと無関係ではない。同演習には米海軍の空母「ロナルド・レーガン」やミサイル駆逐艦「ベン・フォールド」を中心とする打撃群で実施された。


米海軍第7艦隊はこの演習についてインド太平洋における通常の訓練であるとしたうえで「我々の南シナ海での存在は米国の自由航行作戦へのコミットメントを示すものである」とその意義を改めて訴えた。


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