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平成13年の年賀状「車と私」・「人の心と会社経営」

Japan In-depth / 2023年5月10日 11時0分

平成13年の年賀状「車と私」・「人の心と会社経営」


牛島信(弁護士・小説家・元検事)






 


年頭にあたり皆々様の御健勝をお祈り申し上げます。


 昨年のご報告を一、二、申し上げます。


 春。年末から正月を棒の如く貫いて、忙しく働きました。


 夏。久し振りに車の運転をするようになりました。しかし、酒を飲まない日だけなので、限られたものです。


 秋。漱石を、「三四郎」「それから」「門」「彼岸過迄」「行人」「心」「道草」と通読しました。何十年か振りです。「心」に出てくる先生の「記憶して下さい。私は斯んな風にして生きて来たのです」という叫びが、中原中也の「あゝおまへはなにをして来たのだと…吹き来る風が私に云ふ」という一節を思い起こさせました。


 冬。仕事の区切りがつくと散歩に出ます。「もしもステッキ買い込んで、黒い鞄をもったなら」と歌いながら、落ち葉を踏みしめます。


 今年こそイスタンブールへ行って、金角湾に沈む夕日を眺めながら、小舟の上で揚げた魚のフライを食べてみたいもの、と思っています。


 何卒本年も宜しくお導き下さいますようお願い申し上げます。



 


『車と私』


【まとめ】


・2000年夏ごろから再び車を運転するようになった。


・脱炭素・省エネの時代。世の中のため、自分自身の健康のため運転を廃そうか。


・かつて毎日曜日に家族4人でドライブに出かけた。良き父親であった日々が私にもあった。


 


「久し振りに車の運転をするようになった」のは平成12年、2000年の夏のことだったようだ。


私はよく覚えている。あの夏に私が再び車の運転をするようになったのは、三田にマンションを買ったのでそこからの通勤のためだった。三田にマンションを買ったのは、長男が慶応大学の専門課程に行くことになったのがきっかけだった。長男はそのマンションにガールフレンドを連れてきては二人でテレビゲームをやったりしていた。そこでは私と長男と二人、いろいろな話をしたものだった。たくさんの思い出がある。


私は三田にマンションを買ったのをきっかけに車で事務所に通うことになったのだったが、やがてマンションを持っている必要がなくなっていたところへ、隣人が売ってほしいとのことだったのでそれに応じて、もう何年も前に売ってしまった。イタリア大使館に隣接し、下に三井倶楽部の緑の広がっている、綱坂に面した素晴らしい場所だった。私は5階に住んでいたが、その上には丹下健三が住んでいたことがあるという曰くつきのマンションでもあった。 


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