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平成13年の年賀状「車と私」・「人の心と会社経営」

Japan In-depth / 2023年5月10日 11時0分

しかし、そういえばマンションの駐車場というのも、どんなに高級なマンションであっても同じ事情である。そこを大理石張りにしたところで建設コストを賄うことがかなわないのか、購入する人間がそんなものを求めないのか、よくわからない。 


そういえば、私はエレベータについても同じ感想を持っている。


超高級のマンションであれば、個別の玄関とそのユニット専用のエレベータがあってもよさそうな気がするのだ。一度、ある大手デベロッパーが分譲したマンションの最上階を見に行ったときに、そうした配慮に近いユニットに出逢った。地下の駐車場は他の人と共通だが、そこから自分のユニット専用のエレベータがあって、そのエレベータの入り口にはそのユニットの人だけしか入れない。そして、それがそのままその最上階のユニットの玄関につながっているのだった。


100坪を超える広さのマンションだったから、管理費も相当な額にのぼったのだろう。そこにエレベータの維持管理費用を加えれば、それだけでふつう以上のマンションを借りることができるほどの金高になったに違いない。私は、親しい不動産業者に、買わなくてもいいから一度見て見てくれと言われて見ただけだから詳細は知らない。買う予定も予算もなかった。そのマンションは今でもあるから、そこに住んでいる方は、あの個別の地下エレベータで自室の玄関まで昇り、降り、そして巨額の管理費を負担しているのだろう。 



 写真)2003 Mercedes Benz E320 cdi Avantgarde(記事の内容とは直接関係ありません)出典)Photo by National Motor Museum/Heritage Images/Getty Images


ベンツの話の続きに戻ると、私はその白いベンツが大いに気に入ってしばらく乗っていた。ところがである。或るとき信号待ちで停車していたら、前の車が同じベンツではあってもSクラスなのである。SはEよりも少し大きく、したがって値段が高い。私は早速、例の友人に電話した。


「Tさん、ベンツ、Sに替えたいんですが」


「どうしたんですか?」


私は横断歩道での信号待ちの際に前にSクラスのベンツがあって惨めな思いをしたと告げた。


「Eもいい車なんですけどね。まあ、Sにしたいのなら、さっそく探してみましょう」


彼は、いつものように、とても親切だった。


そして、すぐに、「きっと先生の気に入りますよ、見に行きましょう」と電話してきてくれ、私を助手席に乗せて中古車屋に連れて行ってくれた。 


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