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「世界から白内障による失明を無くす」アショカフェロー デビッド・グリーン氏

Japan In-depth / 2023年8月15日 23時0分

安倍:それでインドでは白内障手術が増えたのですね。


グリーン氏:インドでは、1992年には年間80万件の白内障手術が行われていました。それが2000年には500万、600万件になり、今では1,300万件に近づいています。それはすべて、価格競争力のある業界によって可能になったのです。今、アメリカや日本市場を見ると、価格競争はなく、価格は固定されています。誰も、自分たちの収益モデルをひっくり返したくないがために、たとえ値下げが可能であっても、価格を劇的に下げようとはしない。そうやって現状が維持されているのです。


アメリカでは医療製品の85%は、病院の大規模なネットワークを代表するグループ購買団体によって購入されています。かつては、病院が顧客となり、購買団体に多額の値引き交渉料を支払っていました。しかし、1992年に法律が改正され、購入価格の何%であれ、病院が儲かるようになりました。そのため、病院はより多くの手数料を得るために、より多くの金額を支払うようになったのです。そして、顧客である病院にリベートを支払うことが許されました。


つまり、この法律では、リベートとして病院に隠匿されることになるお金を稼ぐために、できるだけ多くの料金を請求し、できるだけ多くの支払いをするよう、すべての人にインセンティブを与えることになったのです。


だから、私がやっている仕事のもう一つの側面は、お金の流れやお金を儲けるために存在するあらゆる利害関係を理解することで、お金を儲ける方法に関する人間の作為をすべて取り除けば物事にはそれほど大きなコストがかからないことがわかる、ということです。


安倍:医療業界を保護しているわけですね。


グリーン氏:業界はロビイストにたくさんのお金を支払っています。日本も同じでしょう。


安倍:今回日本に来られた目的はなんですか?


グリーン氏:ロート製薬は、私がベトナムで開発した眼科病院に投資しました。私たちがベトナムの人々のニーズに応えるために立ち上げたベトナムの社会的企業です。


最近では、眼鏡レンズの製造・販売で、フランスのエシロール社に次いで世界第2位のHOYAと仕事をしています。なぜなら、未矯正の屈折異常は視覚障害の主な原因であり、間もなく白内障を抜いて失明の主な原因になるからです。だから、眼鏡をもっと手頃な価格で手に入れられるようにすることは、とても重要なことです。


そこで私たちはさまざまな業者を検討し、レンズを手頃な価格で購入できるようにするための最適なプランを思いついたのです。私は3週間前にインドで東南アジアのHOYAのシニアチームとミーティングをしたばかりです。


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