平成25年の年賀状 「10年ひと昔」・「父との生活」
Japan In-depth / 2023年10月12日 22時17分
私は何種類もの日刊紙を読んでいるから、そうした新聞の書評欄でどれほどたくさんの本と引き合わせていただいたことか。
たとえば、たった今『植物はなぜ動かないか』(稲垣栄洋ちくまプリマ―新書 2016)を読み終わった。
この本に出逢ったのは、日経新聞のおかげである。2023年の1月14日、土曜日の『半歩遅れの読書術』と題されたコラムに落合恵子さんが書いておられ、そこでこの本が紹介されていたので存在を知ったのである。
実は、著者である稲垣栄洋さんの書かれるものは昔からファンだった。だから、落合さんの紹介を読んだときには、「おや稲垣さん、また新しい本を出されたんだな、そいつはいい、さっそく買って読まなくっちゃ。」と思ったくらいなのだ。
いつものように、新聞のその部分にポストイットを付けてアウトボックスに出しておくと秘書とその手伝いの方が手配してくれ、数日で手元に届く。私なりのシステムである。
ところが届いた本の奥付をみて驚いた。なんと2016年の出版なのである。もう11刷になっていることにも感嘆する。本を出版したことのない方には実感がないだろうが、11刷というのは大変な売れ行きということである。私が2017年に出した『少数株主』が文庫本になったのが2018年のことで、それが最近になってやっと6刷になった。6刷になるだけでも大きな達成である。
落合さんご自身もある女性の友人に薦められたと書いている。子どものころのこと。「大きくて太い欅の幹に両腕を回し、耳を押し当てると不思議な音が聞こえた。当時学生だった伯母が、欅が地下水をくみ上げる音だと教えてくれた。」と思い出話を書いていらっしゃる。
なるほどなあ、と感じる。
同じときに、私は『綿の帝国』(スヴェン・ベッカート 紀伊国屋書店 2022 鬼澤忍・佐藤絵里訳)を読み始めてもいる。並行して何冊もの本を読むのは私の習慣なのだ。こちらの本は848頁もある大分の本である。こうした厚い本は『時間の終わりまで』(ブライアン・グリーン 講談社 2021年 青木 薫 訳)の637頁以来のような気がする。なに、一度に読破する必要などないのだ。少しずつ読んでいけばそれでよいのだ。現に『時間の終わりまで』はそうやって、ずいぶん長い日々を愉しんだものだ。
仕事は急ぐことが当然の世界である。相手あってのことだからである。
だが、趣味である読書は?私が気ままに決める。独りだけの世界だからである。悪くない。
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